1月15日(土)と16日(日)の2日間にわたり、2022年度大学入学共通テストが実施される。交通機関の遅延や体調不良といったトラブルが起きた際の対処法や、当日の持ち物に関する注意点について、大学入試センターが公表している注意事項と河合塾教育研究開発本部の近藤治さんの話をもとにまとめました。

トラブルに備えて事前にやっておくべきことは?

 

思わぬトラブルに見舞われても慌てずにすむように、まずは受験票と一緒に送付されている「受験上の注意」をしっかり読んでおきましょう。受験票の内容も再度チェックし、トラブルが起きた際の連絡先となる「問合せ大学」を確認しておくことをおすすめします。

受験会場は、同じ高校に通っている人でも異なる会場を指定されることがあります。「友達と同じ会場に行けば大丈夫だろう」と勝手に思い込まずに、必ず自分の受験票を見て確認しておくことが大切です。

悪天候や事故で交通機関に遅れが出たときは?

当日の降雪などによる交通機関への影響を考慮し、前日から気象・交通情報はチェックしておきましょう。悪天候が予想される場合には、当日は時間に余裕をもって家を出発し、できるだけリスクの少ない交通手段・経路を選ぶようにします。

悪天候や事故により交通機関に遅延・運休が生じた場合は、試験開始時刻が繰り下げられる場合があります。まずは受験票に記載されている「問合せ大学」へ電話連絡をしたうえで、遅延証明書などがある場合は必ず入手してから、慌てずに試験会場へ向かいましょう。

当日、病気になってしまったら?

病気や負傷により試験を受けられない場合は、追試験の対象になります。その場合は、「受験上の注意」に記載されている申請受付時間内に、本人または代理人が「問合せ大学」において追試験の受験申請を行う必要があります。

病気や負傷の場合の追試験の申請にあたっては、原則として受験票と医師の診断書が必要です。ただし、新型コロナウイルス等の感染拡大リスクや医療提供体制の逼迫などにより、自宅待機を要請されているといった理由で診断書の提出が困難な場合は、「問合せ大学」に電話連絡をしたうえで、検温結果や症状、保健所等への相談日などを提出するといった手続きを行います。

 

 

当日の事故や身内の不幸などの場合は?

試験会場に向かう途中の事故により試験を受けられない場合も、追試験の対象になります。事故が生じた場合は速やかに「問合せ大学」に電話連絡をしてください。

両親または親族の危篤や死亡、自宅の火災、新型コロナウイルス感染症患者の濃厚接触者で所定の要件を満たしていない場合、入国後の待機期間中にあたる場合などの「やむを得ない事由」がある場合も、追試験を受けることができます。まずは、申請受付時間内に「問合せ大学」に電話連絡をしましょう。

当日の持ち物で気をつけることは?

持ち物に関しては、下のリストを参照し、前日だけではなく当日の朝にも確認するようにしましょう。鉛筆は、合格祈願のメッセージや格言などが印字されているものは使用できないので注意が必要です。時計や携帯電話のアラームは、家を出る前の時点でオフにしておきましょう。

2022年度の共通テストでは、新型コロナウイルスの流行により、マスクの着用が必須とされています。事前申請をしていない人が、当日マスクを着用せずに受験することはできません。念のため、予備のマスクを2~3枚持参するとよいでしょう。

 

 

近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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