優勝した栄光学園のメンバー

第9回全国高校生英語ディベート大会(主催・全国高校英語ディベート連盟)が12月13・14日に静岡文化芸術大学で開催された。予選を勝ち抜いた64校が「日本政府は、原子力発電所を廃止すべきである。是か、非か」を論題に競い、創部3年目の神奈川・栄光学園高校英語部2年生のチームが頂点に立った。
(文・写真 高校生記者・石田優花)
 

決勝の様子

信頼関係支えに

決勝に進んだのは、栄光学園と宇都宮高校(栃木)。栄光学園は肯定側となった。
原子力発電所で働く労働者の健康被害が論点になった。原発維持を訴える宇都宮高校に対し、栄光学園の渡辺隆之さんは、被ばくによる健康被害の危険性を主張。優勝を勝ち取った。
 板部泰之さんは「メンバー間の深い信頼関係があったから、着実に自分の役割を果たせた。予選の結果やアドバイスを踏まえたメンバーの話し合いが優勝につながった」と振り返る。渡辺さんと板部さんはベストディベーター賞も受けた。

世界大会へ

部が発足したのは2012年。現在は高校生9人、中学生4人で活動する。飯田和真さんに上達の秘訣を尋ねると「勝ち負けを意識するのではなく、今、自分に足りないものを見つけ、それを吸収することが大切」と話す。
 栄光学園は世界大会に出場する。佐藤聡太さんは「一層練習に励みたい」と意気込んでいた。

英語ディベート 議題について肯定側と否定側に分かれ、英語の討議によって審判を説得できるかを競う。「立論・質疑」→「反論・質疑」→「再反論・再構築」→「総括」の流れで行われる。制限時間やルールが厳密に定められている。

取材後記 初めて英語ディベートを見て、英語のレベルの高さと話すスピードに圧倒された。どの学校も大量の資料を抱えており、徹底した準備をしてきたことがうかがえた。優勝した栄光学園をはじめとした出場校の、チームメート同士の信頼関係の深さも印象的だった。