【1月22日:最新情報に更新】1月16日・17日に実施された大学入学共通テストについて、運営する大学入試センターが22日、大半の採点を終え、2度目の中間集計を公表した。「理科②」と「公民」の中で科目間で20点以上の平均点差が生じたことから、6年ぶりとなる得点調整の実施を決めた。

大学入試センターは、22日までに採点を終えた48万2381人の答案の採点結果を集計した。受験者の大半にあたる。

昨年のセンター試験の最終集計と比べると、「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B」「倫理」、「生物」「物理基礎」「地学基礎」などで平均点が上がった。一方、「地理B」「現代社会」「化学基礎」などで平均点が下がった。

「化学」「物理」「現代社会」「政治・経済」の点を上げる調整

得点調整は、大学入試センターが定める科目について、選択科目間の難易差によって平均点差が20点以上生じた場合に、平均点差が15点になるように実施される。

「理科②」の平均点は、「生物」が72.65点だったのに対し、「化学」は51.06点で20点以上の点差がついた。「物理」は57.82点だった。「化学」と「物理」の点数を上げる調整が実施される。例えば「化学」が50点の受験生は58点になる。「地学」は受験者が1万人未満のため、規定により得点調整の対象とならない。

「公民」の平均点は、「倫理」が71.96点だったのに対し、「現代社会」が51.96点、「政治・経済」が49.87点で、20点以上の差がついた。「現代社会」と「政治・経済」の点数を上げる調整が実施される。例えば「政治・経済」が50点の受験生は58点になる。「倫理、政治・経済」は規定により得点調整の対象にならない。

得点調整の換算表は大学入試センターのホームページに掲載されている。

昨年まで31年間実施されたセンター試験では、1998年の「地理歴史」と2015年の「理科②」との2度、得点調整が実施されたことがある。

1月30・31日に2度目の共通テスト、追試験・再試験も

大学入学共通テストは、1月30・31日にも実施される。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学習の遅れを理由に受験を希望した受験生が対象となるほか、病気などを理由に16・17日に受験できなかった受験生の追試験や、試験実施上の問題で16・17日に受験できなかった受験生の再試験もこの日に実施される。

5教科平均点はほぼ昨年並みか

大学入学共通テストの自己採点集計をしている予備校などは、多くの国立大の出願要件となる5教科の予想平均点を公表している。

データネット実行委員会(ベネッセ・駿台共催)は、文系の5教科平均点(900点満点)を551点(前年は548点と推定)、理系の5教科平均点(900点満点)を561点(前年は559点と推定)と予想している。

河合塾は、文系の5教科平均点(900点満点)を549点(前年は547点と推定)、理系の5教科平均点(900点満点)を558点(前年は552点と推定)と予想している。