第1問】【第2問】【第3問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2021年度大学入学共通テストの「物理基礎」の問題分析は次の通り。

スマートフォンを用いて台車の加速度を測定するなど、探究活動の場面を意識した出題があった

物理基礎の内容から幅広く問われた。カッターの消費電力を求める問題では、商品ラベルから必要な情報を読み取り、学んだ知識を活用する目新しい出題があった。スマートフォンを用いて台車の加速度を測定し、記録テープを用いた結果との違いを考察する問いもあり、昨年センター試験よりやや難化。

大問数・解答数

昨年のセンター試験から大問数3は変更なく、昨年13個であった解答数は17個に増加した。

出題形式

語句・文章選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年のセンター試験と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年センター試験並。

難易

昨年センター試験よりやや難化。

大問別分析

第1問「小問集合」 (16点・解答数6) 

物体の運動とエネルギー、電気、波、熱の各分野から出題された。問2は、棒の両端を正負に帯電させ、静電気力を受けてどう回転するかという、思考力を問う問題であった。問3は、電磁波(紫外線・電波・γ線)についての身近な利用法を問う問題であった。問4は、熱に関する二人の会話文の中で、下線部に誤りを含むものを二つ選ぶ問題であり、熱に関する総合的な知識と考察が求められる目新しい問題であった。

第2問「波、電気」 (18点・解答数6) 

Aは、ギターの音の波形に関する音波の問題であった。 オシロスコープによる波形の観測は探究活動に関わる出題である。問2は、音色に関して、基本音と2倍音を重ね合わせた波形を選択する問題が出題された。 Bは、変圧器と消費電力に関する出題であった。問5では、商品ラベルに表示されているニクロム線の1mあたりの抵抗値を読み取り、それより16cmの抵抗値を計算して、消費電力を電流と電圧の実効値の積で求めればよい。

第3問「物体の運動とエネルギー」 (16点・解答数5) 

前半は、試行調査でも出題された、記録タイマーを用いた台車の加速度運動を調べる探究活動的な出題であった。問1は、記録テープに記された打点の間隔を図2から読み取り、6打点に要する時間から解答できる。問2は、台車を引くひもの張力についての数値穴埋め問題であった。後半は、スマートフォンに搭載している加速度センサーを実験器具に用いた出題が目新しかった。問4は、グラフから加速している間の時間を読み取る必要があり、経験がなければ戸惑ったかもしれない。問5は、おもりにはたらく糸の張力が負の仕事をする点がポイントであった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2020年度 33.29点
  • 2019年度 30.58点
  • 2018年度 31.32点
  • 2017年度 29.69点
  • 2016年度 34.37点

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