第1問】【第2問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2021年度大学入学共通テストの「化学基礎」の問題分析は次の通り。

基本的な問題が数多く出題された。陽イオン交換樹脂を題材とした実験が扱われた

第1問では、原子の質量数や原子番号の数値そのものをマークする形式で解答させる点が目新しい。第2問では、実験の題材として陽イオン交換樹脂が扱われ、問題文を正確に読み解き、実験操作や実験結果を考察する力が求められた。基本的な問題が数多く出題され、昨年センター試験より易化。

大問数・解答数

大問数2、解答数15個は、昨年のセンター試験から変更なし。

出題形式

語句選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年のセンター試験と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年センター試験並。

難易

昨年センター試験より易化。

大問別分析

第1問「物質の構成、物質の変化」 (30点・解答数10) 

小問集合形式で幅広く出題された。「物質の構成」の分野からは、混合物・単体・化合物の分類、電気伝導性による結晶の比較などが、「物質の変化」の分野からは、物質量、イオン化傾向、酸化剤・還元剤、溶液の濃度の計算、燃料電池の計算などが出題された。問3では、原子番号と陽子・中性子・価電子の数の関係から、当てはまる原子の構成粒子や、原子の質量数や原子番号の数値が出題された。原子番号と構成粒子の関係をグラフで与えている点、当てはまる原子の質量数や原子番号の数値そのものをマークする形式が目新しい。

第2問「物質の変化」 (20点・解答数5) 

化学基礎では扱わない、陽イオン交換樹脂を用いた実験を題材にした問題であった。問1aでは、塩の分類に関する基本的な知識が問われた。問1bでは、設問文および図から陽イオン交換樹脂がどのようなものかを正しく理解したうえで、イオンの価数に関する知識と結びつける力が問われた。問2aでは、塩の水溶液および酸と塩基の混合溶液のpHに関する理解が問われた。問2bでは、希釈操作に関する理解と実験操作に対する読解力が問われた。問2cでは、陽イオン交換樹脂についての理解に加えて、実験操作全体を把握し、正確に計算式を立てる必要があった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

2020年度 28.20点
2019年度 31.22点
2018年度 30.42点
2017年度 28.59点
2016年度 26.77点

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