第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【第5問】【第6問】【スクリプト】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2021年度大学入学共通テストの「英語(リスニング)」の問題分析は次の通り。

 大問数が増加し、第3問以降、音声が1回のみに。図表を用いた出題も散見された

 昨年センター試験と比べて音声情報と図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が増えた。日本語で設問の状況を与えられるなど、各場面や目的に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。第3問以降は音声が1回しか流れなかったものの、取り組みやすい問題も多く、難易は昨年センター試験並。

大問数・解答数

昨年センター試験と比べて、配点が50点から100点、大問数4から6、解答数25個から37個に増加した。

出題形式

英文が比較的短い第1問と第2問では音声が流れる回数が2回だったが、第3問以降は1回のみとなった。多様な英語話者による音声も含まれた。第5問では大学の講義が想定されており、第6問Bは日常的なトピックに関する4人の会話であった。

出題分野

日常的な発話から説明文や4人の話者による会話まで、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。

問題量

配点・大問数の増加に伴い、聞き取る問題音声の語数は昨年センター試験から300語以上増加。読み取る問題の分量も昨年センター試験から増加。

難易

昨年センター試験並。

大問別分析

第1問「短発話・英文/イラスト選択」 (25点・解答数7)

A・Bともに身の回りの事柄に関する短い発話を聞き、Aでは最も近い意味を示す選択肢を選ぶ問題、Bでは発話内容に対応するイラストを選ぶ問題が出題された。発話の概要や要点を把握する力が問われた。問5では、almostの正確な意味を理解しているかどうかが問われた。音声が流れる回数はA・Bとも2回であった。

第2問「短い会話・イラスト選択」 (16点・解答数4)

身の回りの事柄に関する短い会話とそれについての問いを聞き、日本語で書かれた場面の情報をもとに、対応するイラストや図を選ぶ問題が出題された。問11では、エレベーターの位置を特定する問題が出題され、段階的に場所を特定していく必要があった。音声が流れる回数は2回であった。

第3問「短い会話・Q&A選択」 (18点・解答数6)

身の回りの事柄に関する短い会話を聞き、日本語で書かれた場面の情報を参考にしながら概要や要点を把握し、問いの答えとして適切なものを選ぶ問題が出題された。問13では、台所で最初に片付けるものを選ぶ問題が出題された。最初に使用するものと混同せずに情報を整理する必要があった。音声が流れる回数は1回であった。

第4問「モノローグ・図表/条件選択」 (12点・解答数9)

Aの問18~21では、学校以外での時間の使い方に関する説明を聞き、円グラフの項目を埋める問題が出題された。計算が必要な問題も含まれていた。問22~25では、DVDの値下げに関する説明を聞き、表の中の空欄を埋める問題が出題された。Bでは、ミュージカルに関する4人の説明を聞き、与えられた3つの条件に最も合うものを選ぶ問題が出題された。複数の情報を整理し、組み合わせて判断することが求められた。音声が流れる回数はA・Bとも1回であった。

第5問「講義・ワークシート完成」 (15点・解答数7)

「幸福観」についての講義を聞き、ワークシートを完成させたり、与えられたグラフを参考に講義全体の内容と一致するものを選んだりする問題が出題された。概要や要点をとらえたり,聞き取った情報とグラフから読み取れる情報を組み合わせて判断したりすることが求められた。音声が流れる回数は1回であった。

第6問「会話文Q&A/内容把握」 (14点・解答数4) 

Aでは、フランス留学での滞在先に関する2人の会話を聞き、話者の主張を選ぶ問題と、主張を踏まえてどのような決定をする必要があるかを選ぶ問題が出題された。Bは、レシートの電子化に関する4人の会話を聞き取る問題であった。4人の立場を明確にしたうえで、レシートの電子化に賛成した人数を選んだり、電子化に反対の意見を最もよく表している図表を選んだりする問題が出題された。音声が流れる回数はA・Bとも1回であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2020年度 28.78点
  • 2019年度 31.42点
  • 2018年度 22.67点
  • 2017年度 28.11点
  • 2016年度 30.81点

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