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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2021年度大学入学共通テストの「現代社会」の問題分析は次の通り。

探究学習などの多様な場面設定で、様々な文章資料を読み取り考察する力が求められた 

身近なテーマから現代の社会の課題について出題され、全体として多様な出題形式によって思考力が問われた。模式図など様々な資料が使われ、全体の文章量はこれまでのセンター試験と比べて増加した。様々な文章資料を読み取り考察する力が求められる一方で、丁寧に読み解けば解答できる問題も出題されたので、難易は昨年センター試験並。

大問数・解答数

大問数5は昨年センター試験より1大問減少。解答数30個は昨年センター試験より6個減少。

出題形式

設問ごとに会話文や発表文がはさみこまれる形式が多く出題された。文章選択問題が減少し、組合せの問題と8択以上の問題が昨年のセンター試験より大幅に増加した。

出題分野

「現代社会」の幅広い範囲からバランスよく出題された。例年同様、大問内や設問の選択肢で各分野を融合した出題がみられた。「現代社会」の学習内容を身近なテーマに置き換えて考える問題や、具体的な事象を一般化して整理する問題は特定の分野にとらわれず出題された。

問題量

昨年センター試験より増加。

難易

昨年センター試験並。

大問別分析

第1問「『現代社会』の学習について」 (26点・解答数8) 

現代社会の授業や生徒の主体的な学習などの場面を通して、問1は倫理分野、それ以外は権力分立論や司法など政治分野が幅広く出題された。問1は思想家と著書の一部の組合せを判断させる問題で、問8は政党の具体的政策を2つの軸を設定したモデル図に適切に位置づける問題であった。

第2問「『もったいない』から考える社会問題」 (16点・解答数5) 

マータイ氏の「もったいない」を導入に使った授業と生徒の発表から、環境問題と政治における意思決定について出題された。問2は、決定方法によって民意が異なるという事例を論理的に考えさせる問題であった。

第3問「市場経済と政府の役割」 (27点・解答数8) 

市場経済と政府の役割に関する会話文を切り口に、経済成長率やGDP、景気変動、労働など経済分野を中心に幅広く問われた。問5は公共財について概念を活用し、問6は非競合性と非排除性について財・サービスを分類・整理する問題であった。

第4問「現代社会の教科書に出てくるアルファベットの略語」 (19点・解答数6) 

アルファベットの略語についての会話文から、青年期や現代の諸課題を中心に幅広く出題された。全体としてはオーソドックスな内容であり、正確な知識があれば対応できたと思われる。問2は、防衛機制について具体的な寓話を用いて考えさせる問題であった。

第5問「『買い物弱者問題』についての探究学習」 (12点・解答数3) 

探究学習をテーマとする大問で、買い物弱者に焦点を当て政治分野と経済分野から出題された。問2は、二人の生徒の異なる意見を読み取り、統計資料と関連付けて論理的に判断する力が求められた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2020年度 57.30点
  • 2019年度 56.76点
  • 2018年度 58.22点
  • 2017年度 57.41点
  • 2016年度 54.53点

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