アメリカの若手シンガー・ソングライター、ビリー・アイリッシュ。2020年1月に行われた「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で合計5部門を受賞するなど、実力、話題ともに世界中で注目されています。今回は、ビリーの大ファンだという女子高校生3人に集まってもらい、ビリーの魅力を聞きました。(全2回。次回は8月6日配信)
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参加者
Aさん:2年。19年3月頃に偶然MVを見てからハマった。疲れているときや楽しい気分になりたいときにビリーの曲を聞く。多くのメディアの前でも自分の意思をしっかりと持ち堂々と受け答えをするビリーが特に好き。
Bさん:3年。半年前にたまたまYouTubeでビリーを知ってハマった。音楽だけでなく、ファッションや髪型も好き。
Cさん:3年。YouTubeのオススメで動画を見てからファンに。歌とそれ以外でのギャップが好き。魅力が歌だけでないところにも惹かれる。
同世代とは思えないオーラに取りつかれた
―楽曲のみならず、個性的なファッションや、社会問題へのメッセージを積極的に発信していることから、多くの10代の若者がビリーに夢中になっていますよね。初めてビリーを知ったとき、どのように感じましたか?
A 「bad guy」を聴いたとき、イントロを聞いただけでゾクッとして耳に残るものがありました。
B 私は、曲ではなく、インタビュー動画からビリーについて知りました。ビリーがどんなアーティストなのか知らないまま見たのですが、同年代とは思えないオーラや、人気歌手だからこその葛藤、それでいてちょっとあどけないところがあったり……。そんな彼女の魅力に取りつかれました。「こんなにすごい同年代の女の子がいるんだ」と感動しました。
A 私もです。初めてビリーを見て感じたのは同年代なのにすごく堂々としているなということでした!
C 声がすごくきれいで、鳥肌が立つくらいすごい何かを感じました。
B 「bad guy」はとても中毒性がありますよね。編集も自分でやったなんて信じられないです。
C そうなんですか! それは知らなかったです。
「watch」「Ocean Eyes」私の好きなビリーの曲
―好きな曲や、みんなにおすすめしたい曲を教えてください。
A 好きな曲は「watch」です。初めて聴いたときから歌詞が心地よく感じて、すぐにお気に入りの曲になりました。曲の解釈を見てみると、曲調とは裏腹に片思いの切ない恋心を歌っていることが分かってさらに惹かれました。また、「Bellyache」という曲もおすすめしたいです。
B 私は「Ocean Eyes」が好きです。透き通るような声と純粋な歌詞が好きです。切なく、落ちついたメロディーに癒やされます。
C 私は「8」と「you should see me in a crown」が好きです。「8」は静かな感じなのが好きです。「you should see me in a crown」は歌詞がかっこいいのと、MVが奇抜で大好きです。ビリーの曲はどれも魅力的ですが、ミュージックビデオを見ながら聴くとさらにいろいろ考えることができます。「ミュージックビデオも合わせてこそビリーの曲!」って感じになるので見てほしいです。
B アルバムのトラックをそのままの順番で聴いてほしいと思います。それぞれにストーリー性があるのに、一貫して伝えたいことがあるような気がします。すべて聴き終わると長編小説を読み終わったような達成感と充実感があります。
歌詞で多くの人に情報発信している姿に尊敬
―好きな歌詞はありますか?
C 「8」の切ない感じと、前に進もうとする感じが合わさった歌詞が好きです。
A 「all the good girls go to hell」の歌詞が好きです。和訳を見てみると、地球温暖化に注意を向けている意味が含まれているらしく、感心しました。
B ビリーは環境問題にも積極的に発信していますよね。尊敬している人にグレタさんを挙げていて、かっこいいなって思いました。
C 私たちにも身近な問題なので、すごく考えさせられますよね。
A 「カリフォルニアの丘が燃えている」という歌詞がありますよね。実際にカリフォルニアでは山火事が絶えないようです。こうやって、自分というメディアの媒体を使って多くの人に情報を発信する姿がすごいです。
複雑な内面がうかがえる つらい気持ちも歌詞にできる才能がすごい
B そうですね! 私は「COPYCAT」の歌詞が好きです。
A この曲は、何か歌詞に含まれた意味があったりするのでしょうか?
B 「あなたにまねされたくない、あなたに私のまねはできないでしょう? こんな歌詞が書けるのは」という意味があると思います。ビリーの数年間での認知度の高まりによるものだと思っています。
A それはすごくわかります。デビューしてから一気に注目されるようになって、自分のスタイルを貫く不安もあったのではないかと思います。
B 同じ頃、「自分が嫌い」といった内容の曲も出していて、ビリーの複雑な内面がうかがえますよね。
A 多くの人に見られると同時に、体形批判などのマイナスな意見も16、17歳の少女が受け止めていたと思うとつらいです。
B 体形批判は問題になりましたよね。それでも、たくさんの批判的な意見と自分なりの方法で戦っていて驚きます。
C 同い年くらいの時期にそんな強い考えを持てるのはかっこいいですよね。
A Bさんもおっしゃっていましたが、ビリーはつらい気持ちも歌詞にしてしまう才能があるので応援しているファンは少し安心できます。
C どんなものでも曲にしてしまうのは私もすごいと思います。
B そうですね! すべてを吸収して自分の糧にしているところが、ビリーの魅力のひとつだと思います。
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ビリー・アイリッシュ
2001年12月18日生まれの18歳、米国ロサンゼルスのシンガー・ソングライター。
19年3月に発売したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は英米を含め全世界18ヵ国で1位を獲得。代表曲「bad guy」は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)1位を獲得。20年1月に行われた「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で、年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞の主要4部門に加えて合計5部門を受賞。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(20年11月公開映画)の主題歌「No Time To Die」を制作、歌唱している。
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