勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の田部圭史郎先生に難関国立大の日本史を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.難関国立大の日本史対策のポイントは?

A.「わかる」だけでなく、「書ける」ようになるまで十分な演習を。

指定の文字数で実際に書いてみることが重要

難関国立大の日本史は、設問の要求自体はシンプルだが、それに対して200文字から400文字程度の解答を作成することが求められる。設問の要求がシンプルであるということは、自分自身で比較的長い字数の解答の枠組み・構成を考えて組み立てる力が求められるということである。知識があれば書けるというものではない。

頭で「わかる」ことと、それを答案に「書ける」こととは別物なのである。

高3になったら既習範囲から過去問演習を

論述対策としては、できるだけ多くの演習量を確保することが重要だ。

高3の夏の終わりまでに教科書の全範囲の学習を終え、秋から過去問演習に重点的に取り組むというのが一般的な学習スケジュールだが、習い終えた時代に関する問題から順次取り組むようにすれば、高3の春から過去問の論述問題に挑戦してみることも可能だ。

自分が解けそうな範囲の問題から解いてみて、書き方に迷ったときは教科書の記述を参考にするとよいだろう。

模試では加点されなかった理由の分析を

理解していることを「書ける」ようになっているかを確認するには、模試を有効に活用しよう。

解答や採点基準が公表される模試ならば、それを自分の答案と見比べて、「どこを直せば満点の解答になるのか」を分析しておこう。論述の観点がずれているのか、必要な用語が入っていないのかといった、自分が加点されなかった理由を明確にすることで、何に注意して書けばよいかの対策が立てやすくなる。

解答例と比較しながら自分なりに満点だと思う答案を作成した上で、学校や予備校の先生に添削してもらうと、自分の答案に足りないもの・余計なものがより明確に見えてくるはずだ。

田部圭史郎先生(駿台予備学校 日本史科講師)

 
 

たなべ・けいしろう 神奈川県出身。専攻は経済思想史。「理解を深める板書」と「記憶に残る話」を心掛け、日々熱い授業を展開中。模試や教材などの作成にも携わっている。趣味はランニングと博物館めぐり。著書に『GMARCHの日本史』(駿台文庫)