勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の化学科講師の黒澤孝朋先生に過去問に取り組む際のポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)
Q.過去問対策はいつから始めればいい?
A.高3になる前のなるべく早い段階で目を通し、学習計画を立てよう。
習った分野の過去問で理解度を確かめよう
志望大の過去問には、高3になる前のなるべく早い段階で一度、目を通しておこう。それにより自分の目指すレベルが分かり、受験までの勉強計画を立てる上で参考になる。理論化学を学び終えたら、理論化学に関する問題だけを一通り見てみるというように、学校で習い終わったタイミングでその分野の問題に目を通し、理解度を確認しておこう。
過去問の理解度に応じた勉強計画を
過去問の問題文を読んでみて、何が問われているのかが分からない場合は、知識不足だといえるので、教科書に戻って重要な用語や原理を復習しよう。
問われている内容は理解できても、問題文の情報を整理できずにどこから手を付ければ良いかが分からない場合は、読解力を強化する必要がある。細部にとらわれすぎずに、「結論として言えるのはどういうことか」を意識して、問題文を読む練習を積み重ねていこう。
理解はしていても解法が浮かばない場合は、問題を解き慣れていないということなので、問題演習に取り組んで1題ずつ解き方を確実に理解することを心掛けるとよいだろう。
時間を意識して効率よく解く練習も
実力が備わってきたら、本番同様の時間設定をした上で、少なくとも数年分の過去問を解き、限られた時間の中で点数を取る感覚を身につけていこう。入試では時間内に解ける問題と解けない問題を見極めることも重要だ。一般的に、問題を見た時点で解答の道筋が浮かぶ問題は、最後まで解き切れる可能性が高いといえる。難しい問題を解いた経験がないと、「これは難問だ」ということを見極めにくくなるため、問題演習の際にはある程度は難問にも取り組んでおくことが望ましい。
難関私大志望者は教科書の「発展」も要チェック
難関私大や一部の医学部などでは、教科書の「発展」の内容や、資料集のみで扱われているような内容・知識について問われることがある。日頃から、ただ覚えるだけの浅い勉強ではなく、教科書の発展レベルの内容や資料集を読むことが楽しくなるような、「この結果から何が言えるのか」を自分で考えるプロセスを重視した勉強をすることを心掛けてほしい。
くろさわ・たかとも
現役生から高卒生までの上位クラスを中心に指導。本質を大切にした分かりやすく丁寧な授業が広く支持されている。