東大入試の化学対策 何が問われているかの正確な把握が鍵 論述は教科書を参考に

勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の化学科講師の黒澤孝朋先生に東京大学の化学を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.東大の化学対策のポイントは?

A.何を問われているかを整理しながら解法を探っていこう。

解いたことのある問題との類似点を探す

東大の化学では、設問で与えられている文章・条件の内容を正確に読み取る読解力が求められる。一見、複雑に思える内容でも、整理していくと過去に解いた問題と似た設定だと気づくケースも多い。過去問演習などでの経験を活かし、まずは「何を問われているのか」を正確に読み取り、解いたことのある問題と類似している部分を探していくと、解法の道筋が見えやすくなるだろう。

論述問題は先生に添削をお願いする

論述対策としては、限られた文字数の中で過不足なく説明するための表現力を身につけることが欠かせない。自分の解答を客観的に評価することは難しいので、論述した内容は学校や予備校の化学の先生に添削してもらうとよい。独学では、「問われている内容とは違うことについて説明している」、「その現象の説明には欠かせないキーワードが入っていない」、「主語が書かれていないなど、文章としての体裁が整っていない」といった不備があっても気づきにくいので注意が必要だ。

論述の書き方は教科書を参考に

的確な用語の使い方・表現の仕方を身につけるには、高校の教科書の書き方を参考にしよう。いろいろな情報が詳しく書かれている参考書は、限られた文字数の中で簡潔に書くことが求められる論述問題の記述例の見本としてはあまり適さない。知識を確認するにあたっては参考書を活用してもよいが、論述の書き方に関しては参考書ではなく教科書を見るといった使い分けを意識するとよいだろう。

くろさわ・たかとも

 

現役生から高卒生までの上位クラスを中心に指導。本質を大切にした分かりやすく丁寧な授業が広く支持されている。