勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の地理科講師の宇野仙先生に日本地誌の対策のポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)
Q.日本地誌の対策のポイントは?
A.地図を使いながら、変化を時系列で追っていこう。
戦後の変化を押さえよう
日本地誌では、第二次世界大戦後の産業構造・人口・都市の変化を理解しておくことが重要だ。
一例として、人口の移動についてであれば、「高度経済成長期には地方から3大都市圏に人口が流出」→「石油危機により経済成長が止まり、都会にやって来る人が減り、地方に帰る人が増える」→「1980年代に入ると、グローバル化に伴って東京への一極集中が加速する」というように、出来事を時系列で追いながら、それぞれの時期にどのような変化が見られたのかを整理していくとよいだろう。
学習する際は「地図を使って」「時系列で」見ていくことを習慣にすると、何が起きたのかを具体的にイメージできるようになるはずだ。
細かい知識がなくても解けることも
過去問や模試の復習をするときは、解答だけを確認するのではなく、解答に至るプロセスを意識して解説を読むことを心掛けよう。「この問題では何を問われているのか」を理解した上で、同じ問題を解き直すようにすると、問題を解く際の着眼点を身につけていくことができる。
細かいことに関する知識がなかった場合でも、「どのような観点で考えればよいか」が身についていれば、設問中で与えられた資料などをもとに解答を導けるケースもある。どのような問題にも慌てずに対処できる力を身につけるため、日頃から「暗記」ではなく「考える」ことを重視した学習を心掛けてほしい。
うの・たける
会社員を経て、教員免許取得後、現職。「地理で得た知識を旅先で思い出すこともあるでしょう。一生付き合える科目です」