勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の物理科講師の溝口真己先生に、見慣れない素材を扱う新傾向の問題を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.見慣れない素材を扱う新傾向の問題を解くためのポイントは?

A.「物理のどのような原理が問われている問題か」を見極めよう

素材よりも現象に目を向けよう

見慣れない素材が出題されると焦ってしまうかもしれないが、物理の試験で出題されているということは、「教科書に出ている物理の原理や法則のいずれかを使えば解ける」ということだ。

まずは、「素材は何か」ということにとらわれすぎず、どのような現象が起きているのかを整理しよう。そして、「物理のどのような原理が問われている問題か」を見極めることを心掛けてほしい。

原理が分かれば今までと同じように解ける

例えば、昆虫の体や羽の光り方に関する出題がされた場合、「見慣れない素材が出題された」と捉えるのではなく、「これは光の干渉について問う問題だな」という捉え方をすることがポイントになる。こうした捉え方ができれば、これまでに解いてきた光の干渉に関する問題と同じことをすれば良いので、落ち着いて解答の方針を立てることができるはずだ。

さまざまな素材の問題に取り組んでおく

このように一つの現象の裏側にある原理を理解し、考え方の流れをつかむには、ある程度、問題演習を重ねておく必要がある。

可能であれば、学校や塾の先生にお願いして、見慣れない素材を扱う問題を単元ごとにいくつか紹介してもらうと良い。教科書の「発展」や「探究活動」などのページに載っている実験に目を通しておくことも役に立つだろう。

みぞぐち・まさき

 

博士(理学)、専門分野は原子核理論。本格的なのに分かりやすい授業に定評があり、教材執筆なども担当。