各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の鵜飼恵太先生に教えてもらった。
センター過去問で基礎固め
新テストの世界史では、地図や資料、先生と生徒の対話形式の文章などを踏まえて解答する問題が増える見通しだ。知識を地図や資料などに当てはめて考えられるかが問われるため、個々の出来事を「点」でとらえるのではなく、地域や時代を広い視野でとらえて「動き」「流れ」「つながり」などを理解することが重要になる。用語を丸暗記するだけでは点数が取りにくくなるので、注意が必要だ。
ただ、出題傾向が若干変わるとはいえ、土台となる知識は従来のセンター試験から大きな変更はない。センター試験は基礎固めに適した良問が多いので、新テスト対策としても、まずはセンター試験の過去問に取り組んでおくと良いだろう。
文章の中で用語を理解
勉強法としては、一問一答式の問題集をやるより、文章の穴埋めをしながら用語の意味を押さえていく方が、関連する知識と結び付けながら理解できるので効果的だ。一問一答式で用語を覚えるのは英語であれば単語帳を覚えるようなもの。それだけでは問題を解く力は身に付かないので、入試形式の問題演習にも必ず取り組もう。
基礎知識を整理するには、センター試験の過去問の選択肢1つひとつについて、誤っていれば「どこが間違いで、どう直すと正しくなるか」を書いてみよう。正しければノート2行分くらいの内容になるように補足してみるのがお薦めだ。これを繰り返すことで、個々の知識を自分の言葉で説明できるようになり、論述対策にもなる。
地図を見ながら勉強して
国名や地名は言葉で覚えるだけでなく、地図で位置を確認しておくと良い。高1・高2のうちに、現在の世界の国々の位置を把握しておくことも、世界史の学習をする上で役に立つ。友達とクイズを出し合っても良いし、インターネットで白地図をダウンロードして
自分でまとめてみるのも良いだろう。国の位置関係を把握しておくと、世界史の授業で「ロシアとフランスが同盟を結んだ」と聞いたときに「ドイツを挟み撃ちにしようとしているのだな」とすぐにイメージが湧くようになる。主な海や川、ヨーロッパ諸国の植民地だった国々の位置なども把握しておくと、高3で受験勉強をスムーズに進められるはずだ。 (構成・安永美穂)
うかい・けいた 歴史上の人物になりきる講義が「つながりが分かる」と好評。著書に『大学入試 ストーリーでわかる世界史B』(KADOKAWA)。