勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の現代文科講師の岩科琢也先生に難関国立大学の現代文を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.難関国立大の現代文対策のポイントは?

A.端的に書くのか、詳しい情報まで盛り込むのかを見極めることが重要。

 

大学ごとの記述問題の傾向を把握しよう

難関国立大の入試では、記述問題の対策が重要なポイントとなる。ただし、一橋大学のように短めに端的に書くことが求められる大学もあれば、筑波大学のように長めの文字数で具体的に詳しく書くことが求められる大学もあり、記述の分量は大学・学部によって異なる。そのため、早い段階で志望する大学・学部の過去問に目を通して、どのくらいの分量の記述問題が課されるかの傾向を把握し、それに合わせた対策をしていくことを心掛けよう。

記述の分量に合わせた対策を

短めの記述が課される大学では、文中の表現をそのまま書き写すのではなく、自分の言葉で端的にまとめ直すことができるよう、語彙力・表現力を身につけていく必要がある。一方、長めの記述が課される大学では、文中からなるべく多くの情報を汲み上げることが重要になる。文章を読む際も、記述問題の傾向に応じて「この段落のポイントはこういうことだ」と自分なりにまとめながら読むべきか、詳しい内容まで踏み込んで把握する必要があるかという点が違ってくるので注意しよう。

ポイントを正しいつながりで書くことが重要

解答の記述に関しては、必要なポイントを全て盛り込めているかということに加え、ポイントとポイントを正しいつながりで書けているかどうかも重要だ。自分の答案を見直すときは、「本文の内容を正しく表す表現になっているか」「キーワードを羅列するだけではなく、キーワード同士のつながりを押さえて、それが伝わる書き方になっているか」「つながりを説明する文脈は本文の記述通りになっているか」といった点をチェックしよう。

難関国立大の二次試験の記述問題では、表現の細部まで厳密に採点されることが多い。可能であれば学校や塾の先生に添削してもらい、自分では気づきにくい欠点を克服していくことを心掛けてほしい。

 

いわしな・たくや 

オーソドックスにして力強く、思考力全開の授業を展開。東京大、一橋大、筑波大、早稲田大などの入試問題の分析や特別授業も担当。