2021年度入試から大学入学共通テスト(新テスト)が導入され、英語は「書く(ライティング)」「話す(スピーキング)」力を含めた「4技能」を、民間の英語資格・検定試験を利用して測ろうとしている。駿台予備学校の英語科講師の増田悟先生に、対策について答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q. 民間の英語検定試験にむけては、どのような対策をすればいい?

A. 日々の勉強にバランスよく取り組もう。

 

試験の種類によって、留学先での講義などアカデミックな場面を想定した出題がされたり、日常生活全般に即した出題がされたりと、傾向に若干の違いはあるが、「何が問われるか」という本質は高校での学習やこれまでの試験と変わらない。「民間試験のために特別な勉強をしなければ」と考えるのではなく、まずは日々の学校での勉強にしっかり取り組んだうえで、受ける試験の内容を見て出題形式に慣れるとよいだろう。

文法と語彙力をつけることが基本

基本的な対策としては、文法と語彙(ごい)の基礎を固めながら、まずは読む力を伸ばすことを心がけよう。英文を読む際には、一文ずつの意味を押さえるだけではなく、文と文、段落と段落のつながりを考えながら「この文章全体で何を言おうとしているのか」を読み取ることが重要だ。

リスニング対策では、ただ英語を聞き流すのではなく、「今、何を言っているのか」を考えながら聞くことを習慣にしよう。読んで分からない文章は聞いても分からないので、読解力を伸ばすことは聞く力を伸ばすことにもつながる。ライティングについては、基本英文のあんしょうが効果的だ。これは、英語力全般の向上にもつながるのでぜひ取りくんでほしい。

また「話す力」が問われることに不安を感じている高校生も多いだろう。だが、スピーキングだけに注目しすぎないでほしい。大事なのは「読む」「聞く」「書く」「話す」のバランスだ。配点だけを考えれば、スピーキングが占める割合は現行のセンター試験の発音・アクセント問題程度となる可能性もある。勉強する際のバランスを見誤らないようにしたい。

 

増田悟先生

(駿台予備学校 英語科講師)

ますだ・さとる 東京都出身。東大大学院ではロシア文学を専攻。分かりやすく熱意あふれる正統派の授業が身上。