勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の地理科講師の宇野仙先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q. グラフを読み取る問題を解くコツは?

A. 「なぜこの国が上位なのか」を自分で考える習慣をつけよう。

グラフの読み取りでは、日頃からすぐに正解を知ろうとするのではなく、「こういうことが読み取れるのではないか」と自分で考える訓練を重ねることが重要だ。疑問点を先生に質問するときも、「なぜこの国が1位なんですか?」という聞き方はせずに、「このグラフからはこのようなことが読み取れると思うのですが、合っていますか?」という聞き方をするように心掛けよう。

教科書や資料集で国別の生産量などのグラフが出てきた場合は、上位の国名を丸暗記するのではなく、「なぜその国が1位なのか」「上位の国に共通していることは何か」を考えてみよう。それぞれの国の地図上での位置を思い浮かべながら考えてみると、「緯度がほぼ同じ」「地形の特徴が似ている」といった共通点が見えてくることも多い。

日頃から、地図帳を見るときには「その国がどこにあるのか」ということのほかに、「その国の形や大きさ」「隣接している国や海」といったことにも目を向けると、グラフの読み取りに役立つ知識を無理なく増やしていくことができる。

また、グラフでは上位の国に注目しがちだが、グラフの下位にどのような国があるかが、読み取りのヒントになることもある。上位の国だけを見て判断せず、グラフ全体から分かることを注意深く読み取るようにしてほしい。

 
宇野仙先生(駿台予備学校 地理科講師)
うの・たける 慶應義塾大学商学部卒。大学で交通経済・公共経済を研究。会社員を経て、教員免許取得後、現職。「地理で得た知識を旅先で思い出すこともあるでしょう。一生付き合える科目です」