諦めるのはまだ早い! 科目別・直前対策!

◆国語

現代文、古文、漢文については、解きやすさに個人差があるため、どの順番で解くか、時間配分はどれくらいにするかを過去問で身につけておきます。テクニカルに解けるため、漢文からという人がいますが、年度によって難解な文章が出題されることも。過去問に複数あたることで、試験の難易度によって切り替えられるようにしておきましょう。

いずれも設問を読んでいきなり選択肢を見ず、まず自分なりの解答を想定してから選択肢を見る習慣をつけておくことです。これによって、ひっかけの選択肢に惑わされるのを防ぐことができます。

現代文の小説は、登場人物の気持ちを自分に置き換えるなど勝手な思い込みで解答を導いてはいけません。必ず本文からの理由付けで解答を選ぶことが大切です。

古文は和歌が頻出です。古文の勉強を後回しにしていた人は、枕詞など基本的な和歌修辞を抑えておくとよいでしょう。

◆英語

発音・アクセントは配点が低くとも、やっておけば確実に点になります。専用の問題集を1冊仕上げ、特有のルールを再確認しておきます。日常的に使うカタカナ語は、実際のアクセントと異なるので要注意です。

第3問以降の中文、長文問題に時間を割くには、第1問、第2問をいかに早く解き終えるかが鍵です。過去問で、時間調整する練習をしておきましょう。また、長文問題では内容把握を素早く行う練習も必要です。

リスニングは5分~10分でかまわないので、12 月から毎日、耳を慣らしてください。大学入試センターのホームページにある過去の音声問題を利用してもよいでしょう。先に質問と選択肢を見て、内容を推測しておきます。読み上げは2回。1回目で選択肢を絞り込み、2回目で紛らわしい選択肢を除く練習をしておきます。

◆数学

数学Ⅰは、二次関数が必出です。基本的な理解で解ける問題が多いので、文系生はここを落とさないよう直前期には特に力を入れて学習します。

数学Ⅱ・Bは、45問60分で、1問あたりにかけられる時間は1分20秒です。センター科目全体で最も時間が短いため、計算力が勝負です。時間内で解けるよう過去問で練習してください。高配点の微分法・積分法が必出なので、再確認を。また、前の設問の答えを利用できる「誘導問題」がないか、考えて解くクセをつけましょう。

◆理科

理科①(基礎)は、2科目を60分で解くため、1科目30分で仕上げるよう意識します。解法が浮かばない場合は、気持ちを切り替え次へ進みます。直前期には、教科書の探究活動(実験や観察)のページに目を通しておくのもよいでしょう。

理科②は、教科書からまんべんなく出題されます。そのため直前期は教科書に戻って、公式や用語の意味を確認し、あいまいな記憶をなくします。教科書の章末問題も確認しておくとよいでしょう。

化学・生物の考察問題(さまざまな現象や実験結果に関する記述から解答を導き出すもの)対策として、過去問演習で慣れておくとよいでしょう。

生物は、理科の中で最も時間が短く、60分34問と1問あたり1分45秒で解く必要があります。それにも関わらず、説明の長い選択肢が多いため、ポイントに印をつけながら読み、すばやく解答できるように慣れておく必要があります

◆地歴・公民

60分35〜36問なので、1問あたり1分40〜42秒、テンポよく解くことが成功への道です。センターレベルの用語(教科書の太字部分)を最優先にして、意味や因果関係を確認します。後回しにしてきた人は、過去問にあたりながら、覚えていく方が効率的です。

選択肢に受験生を惑わすような形でキーワードを出してくる手法が見られるので、キーワードが出てきたからと即答せずに、設問をしっかい読み、勘違いによる誤答をしないよう意識的に問題を解くクセをつけてください。

 
河合塾麹町校校舎長 
谷勝也さん
1992年入塾。秋葉原館館長、池袋校校舎長などを経て2017年より現職。大学入試に関する豊富な知識で高校生や保護者を対象とした進学講演を多数行っている。