多摩科学技術高校(東京)の文化祭が9月15、16の両日に開催された。実施する企画に必ず科学要素を盛り込む決まりだ。2年4組34人は、5つのミニゲームで遊ぶ「科学のテーマパーク」を開園した。
大人も子どもも夢中
参加者は、5つのゲームの中から3つを選ぶ。各ゲームを得点形式にし、高得点を獲得した人には景品をプレゼントした。
「イライラ棒」は、城をイメージしたコースに沿って、棒を移動させるゲーム。棒がコースの側面や底面の金属に触れるとアウトだ。子どもから大人まで夢中になって挑戦して人気だった。
授業でIT領域を専攻するハディ平和君ら7人が約10日間かけて制作。「棒が金属に触れると通電しておもちゃの刀が光る仕組みを、自作の基板に覚えさせました」(ハディ君)。ゲーム終盤には、障害物の手裏剣が自動で回転する仕掛けになっており、参加者から驚きの声が上がったという。
そのほかには、箱の中に入った理科の実験器具などを手触りだけで当てる「ブラックボックス」などを用意。「ロープウエー」のゲームでは、参加者が空気抵抗や揚力を考えながら1枚の画用紙を自由に加工して機体を作製。全長7.5メートルのひもの上で滑らせ、降下タイムの遅さを競った。
話し合いで心一つに
初日は、接客や次のゲームへの誘導がうまくいかなかった。企画責任者の一人、関口遼祐君は、状況を立て直すため、1日目終了後にクラスメートを集めて話し合いの場を設けた。「企画を成功させたい気持ちはみんな一緒。真剣に改善策を練りました」。2日目は、受付の応対がより丁寧になった。教室の床にテープの矢印を貼り、次のゲームへの誘導もスムーズに行い、全員で企画を成功に導いた。 (文・写真 中田宗孝)