歴史の勉強=暗記と思われがちだが、大切なのは「考えること」だ。用語集などで出来事の名称をどれほど覚えても、「なぜ、その出来事が起きたのか」「それによってどうなったのか」という「原因と結果」を考えなければ、歴史の流れがつながらないからだ。

国ごとのイメージを作る

歴史とは人が動くもの、つまり生きている人間の活動記録だ。ある人物の行動の結果が、次の時代の事件の原因になったことも多い。だから、出来事の前後を常に考え、その出来事が歴史の中でどんな意味を持つのかを理解しよう。こうした勉強をしていくと、論述問題はもちろん、年号を完璧に覚えていなくても、出来事を時代順に並べ替える問題に対応できるはずだ。

最初から詳細な知識を身に付けようとせず、まずは自分の中に国ごとの大まかなイメージを作ろう。時代の流れを古代、中世、近世、近代、現代に分け、興味がある国や地域から始めるとよい。

勉強する際には、資料集や年表などを見ること。例えば、悪政を敷いた国王が、いかにも性格が悪そうに描かれた肖像画を見たりするだけでもイメージが湧いてくるはずだ。また、地図を見ながら各国の位置関係を押さえていくと、争ったり同盟を結んだりする理由を理解しやすい。国を擬人化するのもお勧めだ。

各国の行動パターンは結構決まっていて、例えばアメリカなら、「他のグループと関わらない人」といった感じだ。ヨーロッパの国々は始終もめているので、自分は巻き込まれたくない。そのため、ヨーロッパの国と一定の距離を置く、というのがアメリカの外交政策の基本だ。これを「孤立主義」というが、用語をただ暗記するよりずっと分かりやすいはずだ。こうして一つの国や時代のイメージを作る方法を自分なりに確立し、それを他の国や時代に応していけばよい。

 

問題演習で見直しを

国ごとの歴史の流れが大体理解できたら、問題集に取り組もう。問題を解くことで知識が定着するからだ。いろいろな問題集があるが、一問一答形式の問題集は用語を暗記するための、いわば単語帳のようなものなので、問題演習とは言えない。実際の入試のような形式の問題を解こう。

問題が解けなかった場合は、用語を知らないだけなのか、原因と結果を理解できていないからなのかを考え、その部分を見直そう。(構成・平野さゆみ)