東京・日本学園高校1年B組32人が1コマ直径154センチもの巨大なオセロ風ゲームのコマを制作した。9月30日、10月1日に開催された文化祭で、巨大オセロ盤を使ってゲームを行い、オセロ盤の大きさのギネス記録に挑んだ。(文・写真 中田宗孝)

直径154㌢のコマ。ベニヤ板で作られている

 

文化祭で来場者がプレー

文化祭初日に同校を訪ねると、体育館一面に巨大なオセロ盤が広がっていた。来場者の中から選ばれたプレーヤーが指定したマスに、1年B組の生徒が大きなコマを置いていく。白黒のコマをひっくり返す役目も生徒が担当した。

機敏なフットワークでコマをひっくり返していく

 

2人がかりでオセロ盤に大きなコマを運んでいく。機敏なフットワークで白から黒、黒から白へと何枚ものコマを裏返し、ゲームはスムーズに進行。プレーヤーとして参加した20代男性は、「大きな白黒のコマが裏返っていく様子は壮観で、気持ちよくプレーしました」と話した。

体育館に広げられた手作りのオセロ盤

2カ月で制作 256枚のベニヤ板を加工

巨大オセロの制作期間は約2カ月。上野祐輔君ら5人の企画係が中心となり、木材を切り、ペンキで着色し、巨大なコマやボードをクラス全員で1枚1枚作っていった。

ベニヤ板4枚で1枚のコマができあがる。オセロゲームに必要な64コマを完成させるには、256枚ものベニヤ板を加工しなくてはならない。「細かく地道な作業の連続で、準備中盤では作業のムラが目立つようになっていました」と上野君は振り返る。

制作を始めたばかりの時は気の遠くなる作業に、クラスがどんよりとした雰囲気になったことも。上野君はクラスメートに声を掛け続け、全員のモチベーション維持に努めた。「みんながオセロ盤完成のイメージを持てるようになってからは効率よく作業ができた」(上野君)

文化祭初日、巨大オセロ盤でのゲームを終えた時、上野君はクラスが一つになったのを感じたという。「誰もが自分たちの努力が報われたと実感したと思う」

企画係の上野祐輔君(右)と、「頼もしいリーダーでした」と労う野村佳音君

ギネス記録に挑戦 5年前のリベンジ

オセロのコマと盤の大きさのギネス認定記録は、2012年に直径80センチのコマ、8.1メートル×8.1メートルのオセロ盤を制作した三重県の高校が持つ。1年B組は、現在の記録を大幅に更新する「直径154センチのコマ、14.52メートル×14.52メートルのオセロ盤」だ。文化祭当日は、日本オセロ連盟の公証人らに立ち会ってもらい、ギネス申請を行った。

審査の結果は約3カ月後に届く。担任の土居真也先生は、5年前に受け持ったクラスで巨大オセロのギネス記録に失敗。今回、土居先生が生徒に呼びかけ、2度目の挑戦となった。上野君は「僕たちと一緒に作業をしてくれた土居先生にギネス記録を取らせてあげたいです。先生を含めたクラスみんなで記録達成の喜びを分かち合いたい」と期待をふくらませている。

巨大オセロに挑戦した日本学園高校1年B組

追記)10月16日、コマの正式な数値が確定したため、情報を更新しました。