インターハイバドミントン女子ダブルスで優勝した高橋明日香(右)と由良なぎさ

全国高校総体(インターハイ)バドミントンの女子ダブルスが8月1、3日に新庄市体育館(山形県)などで行われ、3日の決勝で高橋明日香・由良なぎさ(福島・ふたば未来学園ともに3年)組が、森沙耶・石村亜美(青森・青森山田、ともに3年)組を2-0で破り、学校対抗(団体戦)に続く優勝を飾った。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

速い攻撃冴え、追い上げ突き放す

高橋・由良組にとって、3月の全国選抜覇者である森・石村組は因縁の相手だった。由良によれば、これまでの対戦成績は「1勝3敗」。31日の学校対抗の決勝で、ふたば未来学園は青森山田を下し、2連覇を達成したが、そのときのダブルスの対戦でも0-2で敗れていたからだ。

「団体戦で負けた相手。だからこそ、2人で挑戦して向かっていけました」と高橋は振り返る。その言葉通り、立ち上がりから速い攻撃が冴え、いきなり9点を先取。終盤はやや追い上げられたものの、確実に逃げ切ってゲームを奪った。

第2ゲームも徐々にリードを広げ、粘る相手が点差を縮めてくると、そこから集中力を発揮し、再び突き放す。最後は高橋が高い打点からスマッシュを決め、決着をつけた。

「チームとして(男女合わせて学校対抗、ダブルス、シングルス)6冠が目標でしたし、自分は、個人戦はダブルスだけでしたが、2冠を獲りたかった。それが達成できて本当にうれしいです」(由良)

インターハイバドミントン女子ダブルスで優勝した高橋明日香(右)と由良なぎさ

意見言い合い、「同じ気持ちで戦う」ペアに

2人がペアを組み始めたのは、昨年9月の全日本ジュニア選手権後。由良は「最初のころは自分たちの良いところが出せず、どうしようと不安でした。そこで練習のときからお互いにパートナーのことをきちんと見て、第三者として意見を言い合うように心掛けることでコンビが合ってきたように思います」と話す。高橋も決勝では「最後まで攻め続ける」という自分たちの良さを出せたと胸を張った。

「(決勝前は)『頑張ろう』と言ったぐらいで具体的に作戦を話し合ったわけではありません。でも、試合中はコミュニケーションをとりながら同じ気持ちで戦えていた。それが勝因になったと思います」

 ふたば未来学園は、2011年の原発事故の影響で県内各地に分散していた双葉郡の高校を取りまとめる形で2年前に開校。前身校の1つが2013、14年にインターハイ学校対抗で2連覇を果たした富岡である。前回までは「富岡ふたば未来」としての出場だったが、今年から単独での出場となっていた。

「富岡のころから先輩たちが築いてきた伝統を引き継ぐとともに、ふたば未来学園として新しい歴史を作れたのは良かったです」

そう語った高橋の表情は充実感にあふれていた。

インターハイバドミントン女子ダブルスで優勝した高橋明日香(右)と由良なぎさ