中学生に高校生活の魅力を伝える沖田君(右)

高校生が企画・運営する中学生向けの学校説明会が東京で開かれた。主催したのは都立高校生有志のグループ。「中学生に近い立場から、高校生活の魅力を伝えたい」という思いからだ。

11月1日、世田谷ボランティアセンター(東京)で「高校生の高校生による中学生のための高校説明会」が開かれ、都内の中学3年生約20人とその保護者が参加した。説明するのは都立高校7校(国立、戸山、西、新宿、豊多摩、駒場、青山)の1・2年生12人。「文理分けがないのが特徴です。強い部活はアメフト部と囲碁将棋部。学校である説明会にも、ぜひお越しください」といった具合に、順番に自校の特徴や魅力を説明した。
 ゲームなどで中学生の緊張をほぐした後は、テーブルに飲み物と菓子を並べてフリートーク。中学生は、志望校の高校生に学校生活や入試の話を詳しく聞いた。
 参加した中学生は「受験勉強がつらい時期に、モチベーションになった」(男子)、「先輩は格好良かった。志望校に行きたい気持ちが高まりました」(女子)と感想を話した。

グループの代表は沖田洋文君(国立高校1年)。高校入学前から構想を温めていたという。「学校が主催する説明会では、先輩と話す機会はあまりなく、もったいない。勉強も部活も行事も頑張る姿を知ってほしかった」。「公式」の説明会と違い、「高校生と中学生がおしゃべりする場」をつくろうとしたという。
 「多くの学校を知った上で志望校を決めてほしい」と中学の同級生らを募って8月に1回目を開催。11月が2回目だ。
 12月下旬には、3回目の説明会を開催する。中学1・2年生が対象だ。沖田君は「会に参加した中学生が、高校入学後に運営に回るサイクルをつくりたい」と考えている。