2025年度大学入学共通テストは1月18日、1日目の地理歴史・公民、国語、外国語の試験を全会場で終えた。高校の新教育課程に対応した初めての試験は、昨年までの出題形式が変わり、試験後に取材に答えた受験生からは「焦った」「戸惑った」といった声も上がった。

「国語」は新傾向「生徒が書いたレポート」加わる 「時間足りず焦った」という声も

「国語」は新たに「実用的な文章」の大問が出題された。外来語の使用をめぐりグラフなどの資料を引用しながら生徒が書いた設定のレポート文を題材に、説得力ある内容にするため加筆や修正の方法を考える出題。昨年と全体の回答欄の数は同じだったものの、大問が1問増えたが試験時間は10分延びただけだったため、「時間が足りなくて焦った」という受験生もいた。

大学入学共通テストの「国語」では「生徒」が書いたレポート文が題材にされた

「歴史総合」は日本史、世界史を横断 「逃げたくなる」人も

「地理歴史、公民」は、構成する科目が大幅に変更された。新課程では世界史と日本史の近現代史を総合的に学ぶ必修科目「歴史総合」が加わった。そのため従来の「日本史B」にかわる「日本史探究、歴史総合」の試験にも世界史の学習が必要な出題があり、受験生から「逃げたくなる内容」「習っていない範囲なので焦った」という声も聞かれた。

新科目「公共」では、「男女共同参画の推進」「司法の役割」などが題材にされた。

「歴史総合」は日本史、世界史を横断 「逃げたくなる」人も

「英語」は大問が2問増、新傾向の出題も「変化に戸惑った」

「英語(リーディング)」は、大問数が昨年の6から8に増えた。第4問は、自分が書いたレポートを教師のコメントを受けて推敲する新傾向の出題。受験生の一人は「大問構成の変化、順番の入れ替えなどがみられ、変化に戸惑った」と振り返った。別の受験生は「模試と大問の順番や内容が違った」と漏らした。

大学入学共通テストの「英語(リーディング)」ではレポートを推敲する問題が出題された

試験は全国の651会場で行われた。例年、最も受験者が多い外国語(リーディング・筆記)の受験者は45万4899人で、受験率は91.9%だった。19日は、理科、数学、情報の試験が行われる。