データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2025年度大学入学共通テストの「生物基礎」の問題分析は次の通り。

― タンポポの再生力を題材に、仮説を検証させる探究的視点の問題が出された。難易は昨年並―

昨年はみられなかった仮説検証に関する問題、会話形式の問題が出題された。昨年同様、知識・理解のみで解答できる問題、知識を前提とした思考問題がバランスよく出題された。解答数は昨年より増加し、選択肢の数が多い設問の割合も増えたが、取り組みやすい問題も多く、難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数3は、昨年から変更なし。昨年16個であった解答数は17個に増加した。

出題形式

文章選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「生物の特徴」 (16点・標準) 

気管の細胞やタンポポなどを題材に、さまざまな分野から出題された。Aは、気管を構成する細胞をもとに、真核細胞と原核細胞との違いや、細胞周期の各時期におけるDNA量に関する理解、遺伝子が指定するアミノ酸数に関する計算問題が出題された。Bは、タンポポの再生に関する事実をもとに立てた仮説について、それを検証する実験計画が問われた。

第2問「ヒトの体の調節」 (18点・標準) 

自律神経系による調節、免疫の内容が出題された。Aは、自律神経系による呼吸と心拍数の調節が出題され、問1と問3は判断しやすい知識問題、問2は実験のグラフから心拍数、呼吸数の変化を読み取る問題であった。Bは、予防接種を題材として、免疫に関する知識問題と考察問題が出された。問6は、予防接種後の抗体量を測定したグラフについて、結果の原因を知識を踏まえて考察する問題であった。

第3問「生物の多様性と生態系」 (16点・標準) 

生態系とバイオームの内容が出題された。Aは、クジラの標本に関する会話文をもとに、栄養段階や生物の遺体の分解に関する問題が出題された。問3は、生態系におけるエネルギーと物質の循環に関して、知識を踏まえて考察する問題であった。Bは、気候条件の違いによるバイオームに関する知識を活用して判断する力が問われた。問5は、日本のバイオームの分布について正確な知識を問う問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2024年度 31.57点
  • 2023年度 24.66点
  • 2022年度 23.90点
  • 2021年度 29.17点
  • 2020年度 32.10点