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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「世界史B」の問題分析は次の通り。

― 資料読解と基本的な知識を組み合わせる思考力が求められた。昨年より易化 ―

大問数は5から4に減少し、解答数は34個から33個に減少した。連動型の問題が出題された。昨年と同様に資料やグラフが多く出題されたが、判断ポイントが平易であったため、難易は昨年より易化。

大問数・解答数

昨年と比べて大問数は5から4に減少し、昨年34個であった解答数は33個に減少した。

出題形式

文献資料やグラフなど、さまざまな資料が使用された。文章選択問題と組合せの問題が中心の出題であった。連動型の問題が出題された。

出題分野

地域は西ヨーロッパからの出題が中心で、東アジアからの出題が減少し、アメリカからの出題が増加した。各時代からバランスよく出題された。分野では、昨年と同様に政治史中心であったが、文化史が増加した。政治と文化の関連を問う問題がみられた。

問題量

昨年並。

難易

昨年より易化。

大問別分析

第1問「世界史上に見られた体制や制度」 (27点・標準) 

Aでは中国での王や皇帝の位置づけ、Bではイングランドあるいはノルマンディーで見られた政治的動き、Cではイギリスにおける福祉制度の改革の歴史に関する資料と文章を題材に、テーマに沿って出題された。問1では、周の地方統治制度に関する知識と、資料の読解を結びつけて解答することが求められた。問7は、リード文の情報をもとに、年代を特定し解答する問題であった。

第2問「世界史における諸勢力の支配や拡大」 (23点・やや易) 

Aではアレクサンドロス大王のアジア支配、Bでは19世紀におけるアメリカ合衆国の領土に関する法律、Cではスターリンが毛沢東に宛てて発した電報に関する資料と文章を題材に、問題が展開された。問4と問5では、世界史B本試験では初となる連動型の問題が出題されたが、資料からの読解をもとに解答する問題であったため内容は平易であった。問9では、文章中のヒントから空欄エに入れる語句を考察する必要があった。

第3問「交通の発達が社会に与える影響」 (22点・やや易) 

Aではインド亜大陸における交通の歴史に関する地図、Bではアメリカ合衆国における鉄道を利用した旅客輸送量及び貨物輸送量の変化に関するグラフ、Cではチャイコフスキーのパトロンの手紙とロシアにおける鉄道の年平均建設距離数に関するグラフを題材に、テーマに沿って出題された。問3では、マウリヤ朝の主要道と現在の高速道路の地図を比較することで得られる情報を判断することが求められた。問5では、アメリカの鉄道に関わるリード文とグラフから、導くことができる仮説とその要因を考察することが求められた。問6では、複数の資料から筆者の態度を読解し、その根拠を考察することが求められた。

第4問「言語や文字とそれを用いた人々の文化やアイデンティティ」 (28点・標準) 

Aではシリア語の歴史とそれに関する授業、Bではコロンブスが「スペイン人」であるという説に関する文章、Cでは顔真卿の『祭姪文稿』とそれに関する授業を中心に問題が展開された。問6では、リード文の読解をもとに、国民国家の価値観を相対化することができるかが問われた。問9は、清と北魏がとった中国文化に対する態度を比較して解答する問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2023年度 58.43点
  • 2022年度 65.83点
  • 2021年度 63.49点
  • 2020年度 62.97点
  • 2019年度 65.36点

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