新課程に対応した2025年度入試では、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の時間割にも変更が生じる。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスを交えながら、理科に関する変化についてまとめた。(安永美穂)

全科目午前にまとめる時間割に

理科は試験を実施する時間帯の変更が予定されている。

現行の共通テストでは、理科①(「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」)は2日目の午前中(9時30分~10時30分)に、理科②(「物理」「化学」「生物」「地学」)は2日目の午後(2科目受験なら15時40分~17時50分、1科目受験なら16時50分~17時50分)に実施されている。

2025年の共通テストで予定されている理科の時間割

2025年度の共通テストでは、理科で一つの時間帯にまとめ、2日目の午前中(2科目受験なら9時30分~11時40分、1科目受験なら10時40分~11時40分)に実施する案が示されている。「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎(いずれか2科目の内容を選択解答)」「物理」「化学」「生物」「地学」の5科目から最大2科目を選択する形で、1科目60分、2科目130分(解答時間120分)、1科目100点。

25年度は必要に応じて、旧課程履修者が選択解答可能な問題を出題する場合がある。

出題内容が大きく変わる可能性は低い

「25年度の共通テストでは、理科の試験時間を一つにまとめることで捻出された時間が『情報』の試験時間にあてられる見通しです。試験内容に関しては現段階では変更点の発表はなく、受験生が配慮しなければならないような大きな変更が生じる可能性は低いと思われます」

理科では試作問題は公表されていない。しかし近藤さんによると、「現在の出題内容から大きく変わらないことの裏返しと言えるのではないか」とのことである。

 
近藤治さん 
学校法人河合塾 教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。情報発信や講演も多数実施。