新課程に対応した2025年度入試では、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の内容にも変更が生じる。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスを交えながら、英語の内容の変化や学習対策についてまとめた。(安永美穂)

英単語は旧課程よりも最大で700語増加

英語は、「英語リーディング」(80分、100点)と、「英語リスニング」(60分/解答時間は30分、100点)の200点満点。出題範囲は、「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」で、旧課程から名称は変わるものの内容は基本的に変わらない。

2025年の英語の共通テストのポイント

「英語は試験時間や形式に関しては、現行の共通テストから大きな変更はないと考えてよいでしょう。ただし、新課程では学習する英単語の数が最大で700語ほど、旧課程に比べると増えています。そのため、旧課程の共通テストでは出題されていなかった単語が新たに出題される可能性も考慮した上で対策を進める必要があります」

【英語の学習対策】「読む」「書く」をバランスよく対策

河合塾が公表した「<新課程>共通テスト 試作問題分析」にて示した、2025年の共通テストに向けての学習対策をまとめた。

リーディング対策では、文と文との意味の論理関係を正しく理解し、表現できる力を身につけることが重要。読み取った文章を英語で要約したり、関連するテーマで英文を書いたりといった、「読むこと」と「書くこと」が融合した形で学習を行うとよい。

リスニング対策では、選択肢の英文を素早く読み理解する読解力も要求されるので、普段から英語の音声に親しむだけではなく、設問がついている教材で学習することが望ましい。聴き取れるまで何度も音声を聴き、容易にスクリプト(文字情報)を見ないようにすることが上達のコツである。

 
近藤治さん 
学校法人河合塾 教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。情報発信や講演も多数実施。