政府が「異次元の少子化対策」を打ち出すほど、出生数の減少が深刻化している。高校生は子どもを持つことについてどう考えているだろうか。LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしてくれている読者の高校生に「子どもが欲しいか」についてアンケート。274人が回答してくれた。寄せられた声の一部を紹介する。(佐々木菜緒)

将来子どもが欲しい人は41%

まず、将来子どもが欲しいか聞いたところ、41%が「欲しい」と回答した。続いて多かったのは「どちらかといえば欲しい」の29%だった。7割の高校生が子どもを持つことについて前向きに考えているようだ。対して「欲しくない」、「どちらかといえば欲しくない」と回答した人はそれぞれ19%、11%だった。

将来、子どもは欲しいですか?

欲しい・どちらかといえば欲しい派の意見

続いて、先ほどの質問について、なぜそのように回答したのか質問した。

■子どもがいないと寂しい?

子育ては大変なことも多いと思うけど楽しいことも多いだろうし、1人もしくは夫婦2人で人生の半分以上を過ごすのは寂しい気がするという感じもある。(オホーツク・高校3年生男子)

■楽しくなりそう

好きな人の子どもを持ちたい。子どもがいることで生活が楽しかったり、頑張れたりしそうな気がするから。(コットン・高校2年女子)

■子どもが好き

子供と遊んだり、面倒見たりするのが好き。親が自分を幸せに育ててくれたから、恩返しで次の代につなぎたい。(どるふぃん・高校1年男子)

■なんとなく

特に理由はなくて、なんとなく。多分小さい子を見るとかわいく感じるから。(てぃらみす・高校2年女子)

■子どもの姿を見て幸せになる

地域の子どもが元気な声で「ただいま」と言ってそれぞれの家の扉を開ける光景を目にすると、とっても幸せな気持ちになります。そのたびに、「あぁ家族っていいな」「将来は自分もあんな風に元気に家に帰ってきてくれる子どもが欲しいな」と考えたりします。(きゅも・高校3年女子)

欲しくない・どちらかといえば欲しくない派の意見

■自分に時間がかけられない

趣味やスキルアップに時間を費やしたいのですが、子どもが生まれると育児にほとんどの時間が奪われそうです。妊娠・出産の身体的苦痛や精神的ストレスもあまり経験したくありません。(うみ・高校2年女子)

■責任が重い…

子どもを大切にしなきゃいけないという責任感に押しつぶされてしまいそう。自分が何十年も育てていける自信がない。(翠・高校3年男子)

■負担感がある

日本では育児保障が手厚くないし、育休を取るのは女性の方という風潮がまだ残っているため。(あゆゆゆ・高校1年女子)

■体に新たな命があるのが怖い

妊娠しているときに「自分の中にもうひとつ命がある」という状態が怖い。(みたらし団子。・高校1年女子)

■お金がかかる

ただでさえ生活していくのが大変な世の中なのに、成人になるまでに2000万円かかるといわれる子どもを欲しいとは思わない。普通に生きていくのに精いっぱいだから無理。政府がまともな案を出してくれるのなら欲しいと思う。(Sine音瀬・高校1年男子)

欲しい子どもの人数、2人が61%、3人が23%に

次に、子どもが「欲しい」「どちらかといえば欲しい」と回答した人に、何人子どもが欲しいか回答してもらった。その結果、もっとも多かったのは「2人」で61%、次に「3人」で23%となった。「1人」と回答した人は12%だった。

子どもが「欲しい」「どちらかと言えば欲しい」と答えた人は、何人欲しいですか?

日本の少子化、どうしたら解決する? 高校生の考えは

最後に、日本の少子化が深刻化していることに対して、どのようにすれば子どもが増える社会になると思うか聞いた。

■不妊治療や出産費用を無料に

不妊治療や検診・出産費用などが高いと聞いたことがあるから、無料にするなど国が負担すれば良いと思う。(莉音・高校2年女子)

■子育て費用の継続的な支援を

「子どもがいる家庭に◯万円あげます!」といった一時的なものでは何も解決につながらない。おむつやミルク、おもちゃなど子育てに必要なものを安くする、割引するなど子育てにかかるお金の継続的な支援が必要だと思います。(ナムグクジチェン・高校2年女子)

■学費の無償化

全国での高校、大学の無償化。現金給付ではそのお金を子のために使わない人も出るため、子どもの公共サービスの無償化が無難。(みはお・高校3年男子)

■平均年収を上げる

平均年収を上げることが最も効果的だと思う。物価や大学の学費は上がり続けるのに、平均年収はだんだんと下がっている。金銭的な余裕がないのに子どもをつくれるわけがない。(どこぞの演劇部員・高校3年女子)

■安心して子どもを預けられる施設を

幼稚園や保育園、学校などでの事件が話題になっているので、安心して子どもを預けられるように教育・保育施設の質や安全性の向上が大切だと思います。(ゼリーぶどう・高校1年女子)

■子育てに寛容な社会作り

誰が育てても失敗しない社会作りですかね。ベビーカーを電車に乗せても舌打ちされないようになりました。このまま進めていきましょう。(マチリマチーソン・高校その他学年男子)

■政治に関心を持つべき

大人はもちろん、われわれ国民が政治に無関心なのが一番の問題だと思います。学校などでは、政治の全ては教えてくれません。全貌が分からないものに興味は湧きませんし、不信感を生みます。(しょしょま・高校3年)

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