第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【第5問】【第6問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2023年度大学入学共通テストの「日本史B」の問題分析は次の通り。

― 初見史料が多く、丁寧な読解が求められた。社会経済史は減少。難易は昨年並 ―

大問数、解答数に変更はなかった。多くの文章資料に加え、年表・地図のほか、旅行の行程表などのさまざまな資料が用いられ、所与の資料を読み取り解釈する力が引き続き求められた。題意や資料趣旨の把握に負担を要する問題も引き続きみられ、難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数6、解答数32個は昨年から変更なし。第5問、第6問は日本史Aとの共通問題。

出題形式

初見の文章資料がすべての大問でみられた。また、古地図や、経済の動きを示した模式図、新聞の見出しを一覧化したものなど、多様な資料の読解・解釈を求める問いが、昨年同様に多く出題された。

出題分野

社会経済史の出題が減少。政治史を中心に、分野融合的な問いも含めて、各分野から幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「地図から考える日本の歴史」 (18点・標準)

中世、近世に作られた地図を題材に展開する会話文をもとに、領域の変遷や関所、幕府の政策などが問われた。問1では、3つの史料の読解を通じ領域設定の具体的過程が扱われた。丁寧な読解力を要する出題であった。

第2問「日本古代の陰陽道の歴史」 (16点・やや難) 

古代の陰陽道について、暦の影響や貴族の暮らしなどの観点から文化分野中心に出題された。問4では、国司の任務遂行や年中行事に際して、暦に記入された内容を用いていたことに注目する必要があった。

第3問「中世の京都」 (16点・標準)

中世の京都について、史料や模式図を用いて商業中心に出題された。問3では2種類の撰銭令が大意という形で現代語訳で用いられた。撰銭の理解に加え、撰銭令が出された意図を史料を通して的確に把握することが求められた。

第4問「江戸時代における人々の結びつき」 (16点・標準)

近世における商人や職人、文化人たちの結びつきや関わりが会話文形式で社会経済、文化分野から出題された。問4は漂流民の送還の様子を、江戸時代の外交の特徴を想起しながら、史料読解を通じて判断する必要があった。

第5問「幕末から明治にかけての日本」 (12点・やや難)

高校生が「幕末から明治にかけての日本」についての演劇の台本を作成する設定で出題。メモや会話が展開されるなか、時代考証や史料読解が求められた。問4はメモをもとに年齢から年代を割り出し、歴史事項に関連づけて考える必要があった。

第6問「旅から調べる近現代史」 (22点・やや難)

修学旅行をひかえた生徒が、「旅」について調べるという設定で展開。統計と資料、新聞見出しなどの資料読解と活用を要する出題であった。問5は誤文判断に注意が必要で、政治・外交・社会経済についての時代判断が求められた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2022年度 52.81点
  • 2021年度 64.26点
  • 2020年度 65.45点
  • 2019年度 63.54点
  • 2018年度 62.19点

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