第1問】【第2問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2023年度大学入学共通テストの「化学基礎」の問題分析は次の通り。

― しょうゆに含まれるNaClの量を測定する実験が出題された。難易は昨年並 ―

第1問では、教科書に沿った基本的な問題が数多く出題された。第2問では、しょうゆに含まれるNaClの量を測定する実験が出題され、長い問題文を読み、操作や反応のしくみを理解して考察する力が求められた。グラフを選択する設問や、数値そのものをマークする形式の設問もみられた。難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数2は、昨年から変更なし。昨年15個であった解答数は17個に増加した。

出題形式

文章選択問題を中心に出題された。グラフを選択する設問や、数値そのものをマークする形式の設問もみられた。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「化学と人間生活、物質の構成、物質の変化」 (30点・標準)

小問集合形式で出題された。昨年よりも「物質の構成」からの出題が多くみられた。問1~3、5では、「物質の構成」を中心に基本的な知識が問われた。問4では、純物質の固体を加熱したときの状態変化と分子運動の関係についての理解が問われた。問6は、混合気体1molの質量からHeの物質量の割合を求める計算問題であった。問7は、アルミニウムの利用やリサイクルに関する知識とともに、酸化数に関する理解が問われた。問9は、中和反応の量的関係を文字式で表す問いであった。操作の途中で加えられた水の体積が、量関係の計算に無関係である点に気づくかどうかがポイントであった。

第2問「物質の変化」 (20点・やや難)

身近な調味料であるしょうゆを題材にした実験考察問題であった。化学基礎では通常扱われない2種類の沈殿を扱った滴定法(モール法)に関する文章を読み、考察する必要があった。問1は、反応式の係数と酸化数の変化に関する問いであった。問2は、滴定に用いる実験器具の図が問われた。問3は、実験結果に関する誤文選択問題であった。実験の内容を正しく把握し、3種類のしょうゆに含まれる塩化物イオンの量を表から考える必要があり思考力を要した。問5は、実験の滴下量から塩化物イオンの濃度を求め、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの質量を計算する問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2022年度 27.73点
  • 2021年度 24.65点
  • 2020年度 28.20点
  • 2019年度 31.22点
  • 2018年度 30.42点

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