今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「倫理」「政治・経済」など公民の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

【倫理】教科書の基礎事項をしっかり押さえて

共通テストでは、読解力や論理的思考力を問われる問題が多く出題される傾向にあります。こういった問題は、教科書を丸暗記しただけでは解答できないような、ひねった設問もあります。まずは、教科書をよく読み、基本事項の内容をしっかりと押さえる学習を繰り返しおこなってください。

源流思想、日本思想、西洋近現代思想、現代の諸課題と倫理・青年と心理の4分野からバランスよく出題されますので、自分が不得意な分野を作らないようにするのも大切なポイントです。

2022年度「倫理」より。西洋思想分野からは知識を求める設問と思考力を求める設問がバランスよく出題された

【政治・経済】問題演習で正誤判断力を身につけて

共通テストの政経で得点を狙うためには、基本知識を正確に理解しているかが重要になります。用語の意味や内容、理論や制度をしっかりと押さえ、出題が予想される全範囲で、基本知識の欠落や誤解がないようにしておきましょう。

2022年度「政治・経済」より。経済分野・国際経済分野では、環境問題について問題文と会話文の内容から図式化する視点が求められた

政経の得点力をアップさせるためには、問題演習が大切です。さらに、演習時には判断の根拠を意識して解答していくようにしましょう。「どのように判断すれば正解を見抜くことができるか」を意識していくことで、正誤判断力が身についていくことでしょう。

 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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