今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「地理」「日本史」「世界史」の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

【世界史】模試の問題を繰り返し解いて

共通テストの「世界史B」では、思考力・応用力を問う問題が出題されます。教科書にある歴史的知識と、資料や地図、グラフ、図版などから読み取った情報とあわせて判断し、思考力・応用力を問う問題として「考えられること」を問う問題や、資料や問題文から「読み取れる内容」を答える問題も出題されます。

ここでは基本的な歴史的知識をしっかりと押さえつつ、模試の問題を繰り返し解くことが共通テストの対策として有効です。

2022年度「世界史A」の第4問より。世界史上の「人の移動」に着目して歴史の諸事象を明らかにする問題

【日本史】時間を意識し問題演習

共通テストの「日本史B」では、歴史用語を暗記するだけでは対応できない思考力や判断力を問われる問題が出題されます。歴史上の出来事の因果関係や歴史的意義をしっかりと押さえながら教科書を読んだり、問題を解いていくようにしましょう。

解答に時間を要する問題も出題されます。時間を意識して日頃から問題を解いていくように心がけてください。

2022年度「日本史B」の「近代における日本とハワイとの関係」より

【地理】知らない用語は教科書で都度確認

共通テストにおける地理の頻出分野は、地形図、地形、気候、農業、鉱工業、人口、都市・村落、国家・民族、貿易です。こういった分野を重点的に学習し、共通テストとセンター試験の過去問を解いて知識の習得を目指しましょう。

特に図表を読み取って考察する問題が多く出題される傾向があり、論理的思考も必要とされます。過去問などを解いて知らない用語や統計に関する基礎知識が出てきたら、必ず教科書や地図帳、地理統計で確認し、基礎知識をしっかり身に付けましょう。

2022年度地理Bより。「村落・都市と人口」の問題では、正答の根拠を導くための知識・理解を必要とした
 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
★河合塾の大学入試情報サイトKei-Netでは、最新の入試情報を提供し受験生をサポートします。