今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「理科」(物理、化学、生物、地学など)の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

センター試験の過去問も必ず解いて

まずは、基本事項を教科書でしっかりと確認しておきましょう。直前の時期だからこそわかることも多くあります。過去問は必ず解いておくようにしましょう。さらに、共通テストの理科の対策として、「センター試験の過去問」を解いていくことも非常に効果的です。センター試験の過去問までさかのぼって必ず解き、しっかりと準備をしておきましょう。

2022年度「物理基礎」より。スプーンを題材に、会話形式で仮説を立てて考察する目新しい問題が出題された

正誤判定問題が増加傾向、注意を

暗記すべき点をある程度覚えた後は、問題演習を通して知識の定着をはかり、実戦力を養っていきましょう。共通テストでは、初見の内容に関する文章を読んだ上で、そこから必要な情報を抽出・判断して解答を導くような思考力が試される問題も出題されます。

一方、基本的な知識を確認する問題や、標準的な計算問題も多く出題される傾向にありますので、これらの問題で確実に得点できるように、正確な知識の習得もしておかなければなりません。

2022年度「化学」では速度式の選択と計算が必要な設問があり、時間がかかった受験生も多いと思われる

理科の共通テストでは全般的に思考力・判断力が問われる傾向がみられますが、教科書に記載されている基本事項や知識を確認する問題も多く出題されています。単に用語を問うような問題ではなく、文章の正誤を判定するような問題も多く出題される傾向にありますので、注意が必要です。

 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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