今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「数学」の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

時間との勝負に勝つ「読解力」つけて

共通テストの数学は問題量が多く、時間との勝負になりがちです。センター試験の頃と比べても、問題文が長くなっているだけでなく、題材も多様化していますので、さまざまな問題のテーマに対応できるだけの読解力を養うことが非常に大切です。

共通テストでは少なくとも1題は長文の問題が出題されます。当然、問題を一通り読む必要があり、たとえ問題が易しくても時間がかかります。限られた時間の中で、必要な情報を見つけ、立式化する必要があります。これがスムーズにできるようになるには、演習が不可欠。模試の問題や実戦的な予想問題集などを活用して、長文形式の問題に慣れていってください。

2022年度大学入学共通テスト「数学Ⅰ・数学A」より一部抜粋

「データの分析」は直前でも伸びる

これからの時期でも実力が伸びる分野があります。それがデータの分析の分野。まずはこの分野特有の用語の意味、公式と公式の証明を確実に身につけてください。とくに公式の証明問題は、2021年度の共通テスト第2日程などでも出題されています。手を抜かずに取り組みましょう。

一通り学習を終えた後は、2015年度以降の本試験・追試験および問題種を徹底的に説くと良いでしょう。また、変量変換の問題もよく出題されます。変量変換に関する公式と公式の証明もしっかり学習しておきましょう。

多彩なパターンの問題に触れて

数学については多くの模擬試験の問題を解き、さまざまなパターンの問題に触れておくことが大切です。事前に少し解いたことがあるというだけで、気持ちが楽になることでしょう。共通テストまでにいろいろなタイプの問題を解いておくことをおすすめします。

 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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