今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「英語」の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

速読力が重要、実戦形式の問題演習重ねて

共通テストの英語は、英文の分量が多いため、速読力が重要な要素となります。実戦形式の問題に多く取り組み、適切な選択肢を選ぶ練習を多くこなしておくようにしましょう。

具体的には、直前期の問題演習では、先に設問や選択肢に目を通し、本文中で解答に関係のある箇所を素早く見極める練習をしておきましょう。文法・語法は、センター試験のように独立した設問としては出題されませんが、英文や選択肢の内容を正確に理解する上で必須の知識となるため、基本事項をしっかり押さえておく必要があります。

22年度の共通テスト英語の問題。日常的な文章や説明文など様々なものが扱われた。

口に出して発音、すぐスクリプト見ないで

リスニングの力は一朝一夕では身につきません。また、英語を母語としない話者もいるなど、多様な音声が登場します。日頃からいかに英語の音に耳を慣らしているかが重要です。

リスニング向上のためには、実際に口に出して発音してみることが大切です。単語を学習する際はCDやスマホアプリなどの音声教材も活用しながら覚えるようにして、発音する習慣を身につけると良いでしょう。

新しい働き方(ギグワーク)についての講義を聞き、ワークシートを完成させる問題が出題された。

一度聞いてわからない場合でも、すぐにスクリプト(読み上げ文)を見てしまうのではなく、音声を何度も聞いて理解することを心がけてください。また、英語特有の「消える音」や「変化する音」に注意しながら、英文と音声を突き合わせながら聞くこともポイントのひとつです。

共通テストのリスニングは、図表やワークシートなどから多くの情報を読み取って、聞き取った情報と突き合わせて正しい解答を判断する力が求められます。実践的な問題を多く解いて、問題の展開やテーマを頭の中で予測していけるようになるまで、聞き取る練習を繰り返しましょう。

 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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