大学入試センターは1月21日、2022年度大学入学共通テストの大半の採点を終え、平均点の2度目の中間集計を公表した。受験者の多い科目では、数学1Aのほか、化学、生物、生物基礎、日本史Bなどがセンター試験を含めて過去最低の平均点になりそうだ。「地理歴史」「公民」「理科②」の特定の科目間の点差が難易差によって開いた場合に行われる「得点調整」については、行われないことを決めた。

大学入試センターは、受験者のうち99%以上にあたる48万7127人の採点を終えた。残りは2000人程度という。

数学IAは平均37.96点 数学ⅡBは43.06点

数学IAの平均点は37.96点で、昨年より約20点低下した。大学入試センター試験を含めてこれまで最も低かったの2010年の48.96点を大幅に下回り、過去最低点になることがほぼ確定した。数学ⅡBの平均点は43.06点で、センター試験時代を含めて3番目に低くなりそうだ。

受験者が1万人以上の科目ではほかに、化学(47.63点)、生物(48.81点)、生物基礎(23.90)、日本史B(52.81点)で、平均点が過去最低になる見通し。国語(110.25点)は昨年より平均点が下がった。一方、世界史B、現代社会、化学基礎、地学基礎、英語のリーディング、リスニングなどは平均点が上がった。

駿台予備学校とベネッセコーポレーションが運営する「データネット」が18日夜に出した自己採点集計では、多くの国立大の受験に必要な文系5教科平均点を508点(昨年より44点低下)、理系の5教科平均点を513点(昨年より59点低下)と予想している。

センター試験・大学入学共通テストの5教科平均点(推定値)の推移(駿台教育研究所提供)

得点調整は実施せず

得点調整は、「地理歴史」「公民「理科②」の中の特定の科目間で、難易差によって平均点差が20点以上生じた場合に、平均点差が15点になるように実施される。該当科目間で20点差は開かず、大学入試センターは得点調整を実施しないことを決めた。

2022年度大学入学共通テストの平均点中間集計

各科目の平均点の中間集計は次の通り(487.127人分を採点=1月21日、カッコ内は昨年の平均点最終集計)。

  • 【国語(200点満点)】
  • 国語 110.25(117.51)
  • 【地理歴史(各科目100点満点)】
  • 世界史A 48.05(46.14)
  • 世界史B 65.83(63.49)
  • 日本史A 41.00(49.57)
  • 日本史B 52.81(64.26)
  • 地理A 51.71(59.98)
  • 地理B 58.97(60.06)
  • 【公民(各科目100点満点)】
  • 現代社会 60.83(58.40)
  • 倫理 63.29(71.96)
  • 政治・経済 56.79(57.03)
  • 倫理、政治・経済 69.73(69.26)
  • 【数学①(100点満点)】
  • 数学Ⅰ 21.90(39.11)
  • 数学Ⅰ・数学A 37.96(57.68)
  • 【数学②(各科目100点満点)】
  • 数学Ⅱ 34.41(39.51)
  • 数学Ⅱ・数学B 43.06(59.93)
  • 簿記・会計 51.83(49.90)
  • 情報関係基礎 57.61(61.19)
  • 【理科①(各科目50点満点)】
  • 物理基礎 30.40(37.55)
  • 化学基礎 27.73(24.65)
  • 生物基礎 23.90(29.17)
  • 地学基礎 35.47(33.52)
  • 【理科②(各科目100点満点)】
  • 物理 60.72(62.36)
  • 化学 47.63(57.59)
  • 生物 48.81(72.64)
  • 地学 52.74(46.65)
  • 【英語(100点満点)】
  • 英語(リーディング) 61.81(58.80)
  • 英語(リスニング)  59.45(56.16)
  • 【外国語=英語以外(200点満点)】
  • ドイツ語 123.52(119.25)
  • フランス語 113.74(129.68)
  • 中国語 164.17(160.34)
  • 韓国語 142.39(144.87)