大学入試センターは1月19日、2022年度大学入学共通テストの各科目の平均点の中間集計を公表した。昨年より低下した科目が目立ち、なかでも数学IAは、40.25点と際立って低く、この科目では歴代最低の平均点になる可能性が高い。難化した科目が多く、国立大受験に必要な5教科平均点も昨年を大幅に下回りそうだ。「地理歴史」「公民」「理科②」の特定の科目間の点差が難易差によって開いた場合に行われる「得点調整」については、行われない可能性が高い。
19日は、受験者の半数程度にあたる約24万人の採点結果を集計した。
数学、国語、日本史B、倫理、化学、生物などで平均点低下
数学IAの平均点は40.25点で、昨年より約17点低下した。大学入試センター試験を含めてこれまで最も低かったの2010年の48.96点を下回り、歴代最低の平均点になりそうだ。数学ⅡBの平均点は45.89点。近年では2015年のセンター試験の平均点(39.31点)に次ぐ低得点になる可能性がある。
受験者の多い科目ではほかに、国語、日本史B、倫理、理科基礎、生物基礎、化学、生物などで平均点が低下した。一方、世界史B、現代社会、化学基礎、地学基礎、英語のリーディング、リスニングなどは平均点が上がった。
駿台予備学校とベネッセコーポレーションが運営する「データネット」が18日夜に出した自己採点集計では、多くの国立大の受験に必要な文系5教科平均点を508点(昨年より44点低下)、理系の5教科平均点を513点(昨年より59点低下)と予想している。
地理歴史、公民、理科②の得点調整はない見通し
得点調整は、「地理歴史」「公民「理科②」の中の特定の科目間で、難易差によって平均点差が20点以上生じた場合に、平均点差が15点になるように実施される。中間集計では該当科目間の点差は20点以内に収まっており、得点調整は行われない可能性が高い。
大学入試センターは、大半の科目の採点を終えた集計結果を21日に公表し、得点調整の有無もこの日に決める。