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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「現代社会」の問題分析は次の通り。

― 多様な資料を読み解く力が求められ具体的な事例を考察する問題が出題。昨年よりやや易化 ―

「現代社会」の幅広い範囲からバランスよく出題された。全体の文章量は昨年並で、資料を活用したさまざまな出題形式で読解力、思考力が問われた。全体としては取り組みやすい出題が多く、学習した内容が確実に身に付いていれば解答できた。難易は昨年よりやや易化。

大問数・解答数

大問数5、解答数30個は、昨年から変更なし。

出題形式

組合せ問題の数は昨年並みだが、8択以上の組合せ問題が昨年の7問から10問に増加し、6択以下の組合せ問題が減少した。ドント式や信用創造の計算を行う問題が出題された。

出題分野

現代の諸課題・経済分野からの出題がやや増え、政治分野からの出題が減少した。例年同様、大問内や設問の選択肢で各分野を融合した出題がみられた。「現代社会」の学習事項を具体的事例と関連づけて考える問題は、特定の分野にとらわれず出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年よりやや易化。(昨年は得点調整が行われたため、問題自体の難易を比較)

大問別分析

第1問「市役所の就業体験からみる現代の社会」 (26点・標準) 

市役所の就業体験に参加した高校生の記録を題材に、政治分野、国際分野、思想などから幅広く出題された。問3は、設定された事例にもとづきドント式の計算によって当選者を選び、計算方法によって結果が異なることを考察する問題であった。

第2問「校長先生の講話から考える諸課題」 (16点・標準) 

校長先生の講話から、青年期や政治、経済の分野について出題された。問2は、アイデンティティの状態を二つの基準によって区分し、その状態を分類した表に具体的な事例をあてはめて考察する問題であった。

第3問「バブル経済から考える日本の金融、労働」 (20点・標準) 

大学の講義を受講した高校生の学習を切り口に、バブル経済や金融、労働など経済分野から幅広く問われた。問3は信用創造についての図と説明文から、計算して解答を導くことが求められた。

第4問「『共同体を問い直す』というテーマから考える社会の課題」 (19点・標準) 

授業の配布プリントやミニレポートをもとに、思想・文化や現代の諸課題を中心に幅広く出題された。時事的な内容も問われたが、全体としては正確な知識があれば対応できたと思われる。問1は、多様性(ダイバーシティ)をキーワードに、自治体や企業などの具体的な取り組みが問われた。

第5問「持続可能な社会の形成に関する課題探究」 (19点・やや易) 

探究学習をテーマとする大問で、持続可能な社会の形成について経済分野を中心に出題された。問1は複数の資料の読み取りが求められ、問3は自治体とNPOとの協働手法について具体的な事業と関連づけて考察する問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 58.40点
  • 2020年度 57.30点
  • 2019年度 56.76点
  • 2018年度 58.22点
  • 2017年度 57.41点

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