東京大学は2月16日、6度目の実施となる2021年度学校推薦型選抜(旧推薦入試)の合格者を決め、発表した。10学部で100人程度を募集したのに対し、志願者は187校の267人。書類、面接試験などによる選考を実施し、92人合格した。志願者、合格者ともこれまでで最も多かったが、導入から6年連続で合格者が募集人数に達しなかった。

女子が45%、法学部、教養学部など多く

東大の学校推薦型選抜は志願書類で1次選考を行ったうえで、面接やプレゼンテーション、討論などをまじえた選考を学部ごとに行っている。11の募集単位のうち、募集人数に合格者数が達しなかったのは工学部、農学部、薬学部だった。

合格者のうち女子は42人(45.7%)。割合は前年(45.2%)とほぼ同じ。合格者が2割に満たない一般選抜より女子の割合が高い傾向が続く。女子が多いのは、法学部(合格者10人中9人が女子)、教育学部(5人中4人)、教養学部(5人全員)、医学部医学科(3人中2人)。

今回から募集要件を緩和

合格者の出身高校の地域は、東京が28.3%、関東(東京を除く)が17.4%、その他の地域が54.3%だった。

東大の学校推薦型選抜は、2016年度の導入以来、合格者数が募集人数を下回る状態が続く。20年度までは各校から男女1人ずつに推薦を限っていたが、今回から要件を緩和し、「合計4人まで(男女各3人まで)」と改めた結果、これまでで最も多い267人(男子151人、女子116人)が出願した。上限の4人を推薦した学校は8校あった。これまで一度でも推薦があった学校は496校になった。日本の高校数の約1割にあたる

大学側「基準は下げず」

16日に記者会見した推薦入試担当の武田洋幸副学長は合格者数について「多くの学部では定員に達している。基準を下げているわけではない。優秀でユニークな学生が入っていただいた。改革(人数の要件の変更)の成果が出て、うまくいったと考えている」と話した。

募集人数に満たなかった分は、2月25日から行われる一般選抜の合格者を募集人数より増やす。

学部ごとの募集人数、志願者数、合格者数は次の通り。

法学部

  • 募集人数 10人程度
  • 志願者数 24人
  • 合格者数 10人(うち女子9人)

 

経済学部

  • 募集人数 10人程度
  • 志願者数 20人
  • 合格者数 10人(うち女子2人)

 

文学部

  • 募集人数 10人程度
  • 志願者数 19人
  • 合格者数 10人(うち女子6人)

 

教育学部

  • 募集人数 5人程度
  • 志願者数 26人
  • 合格者数 5人(うち女子4人)

 

教養学部

  • 募集人数 5人程度
  • 志願者数 28人
  • 合格者数 5人(うち女子5人)

 

工学部

  • 募集人数 30人程度
  • 志願者数 63人
  • 合格者数 27人(うち女子8人)

 

理学部

  • 募集人数 10人程度
  • 志願者数 38人
  • 合格者数 12人(うち女子3人)

 

農学部

  • 募集人数 10人程度
  • 志願者数 20人
  • 合格者数 6人(うち女子2人)

 

薬学部

  • 募集人数 5人程度
  • 志願者数 9人
  • 合格者数 2人(女子は合格せず)

 

医学部医学科

  • 募集人数 3人程度
  • 志願者数 14人
  • 合格者数 3人(うち女子2人)

 

医学部健康総合科学科

  • 募集人数 2人程度
  • 志願者数 6人
  • 合格者数 2人(うち女子1人)

 

合計

  • 募集人数 100人程度
  • 志願者数 267人
  • 合格者数 92人(うち女子42人)