1月16日に行われた2021年度大学入学共通テストのうち「世界史B」は、文献、地図、グラフなどさまざまな資料が出題され、センター試験と比べて資料の読み解きを重視する問題が多く出題された。
学習や生活の場面設定を重視するという共通テストの出題方針に沿って、世界史Bでも、「先生と生徒の会話」や「韓国を訪れ、観光ガイドとの会話」などの設定がされた。
世界史の授業でジョージ・オーウェルの小説「1984」について討論したという設定の問題(第3問のC)では、歴史記録の改ざんについて出題、18世紀の中国の朝廷が歴史書を組織的に改ざんしていたことを取り上げ、改ざん前と改ざん後の文章を比べて、改ざんの意図などを答えさせた。
キャッシュレス決済の普及を切り口に、歴史上の貨幣について扱った大問(第2問)では、イギリスの金貨鋳造量と紙幣流通量の推移を示す2つのグラフの関連性を読み取り、仮説を考察することが求められた。
データネット(駿台・ベネッセ共催)は、「多様な資料の読解が求められ、思考力を要する問題が大幅に増加したため、昨年センター試験よりも難化した」と分析している。大問のリード文と設問の関連性も高まっているという。