大学入試センター試験の後を継いで初めての実施となった大学入学共通テストが1月16日から始まった。1日目は、地理歴史、公民、国語、外国語の試験が行われた。新傾向の出題がみられ、多くの科目が難化した。

運営する大学入試センターによると、最も多くの受験者がいるとみられる外国語は47万7035人が受けた。受験率は89.2%だった。

駿台予備校とベネッセコーポレーションによる「データネット」の分析によると、国語、英語(リーディング)、日本史B、世界史B、地理B、倫理、政治・経済などが昨年のセンター試験より難化した。英語(リスニング)は昨年並みの難易度だったというが、志願者の多い科目の大半が難化した。

新傾向の問題も目立った。大学入学共通テストでは、思考力や判断力をより重視する出題方針がとられ、生活や学習の場面を題材にする出題や、複数の資料を読み解かせる出題が予告されていた。

国語では、妖怪について論じた文章を読ませたうえで、その文章を読んだ生徒が作成したノートの空欄を補う設問が出題された。漢文の出題では、漢詩と散文をあわせて読み解かせる内容で、文章に関するイラストも示された。

英語(リーディング)では、センター試験で出題されてきた発音・アクセント問題がなくなり、全問が読解問題となった。スマホ上のメッセージのやりとりや、バンドコンテストの審査、学校でのポスターを使った発表などが題材となり、読解量が大幅に増した。英語(リスニング)では、音声情報と図表など視覚情報を組み合わせて答える出題が増えた。

スマホのメッセージのやりとりが題材となった英語の読解問題

世界史Bでは、文献資料、資料、グラフなど多様な資料が使用された。日本史Bで生徒の学習の場面が題材とされる出題が目立った。