第1問】【第2問】【第3問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2021年度大学入学共通テストの「地学基礎」の問題分析は次の通り。

課題の把握から解決までが幅広く問われ、仮説検証の方法を問う出題が複数あった

課題の把握から解決までの過程が幅広く問われた。第1問では実験・観察が多く題材とされたほか、仮説検証の方法についても問われた。第2問では台風による海面上昇量の推定が扱われた。また、温暖化に関連して気候のフィードバックについても出題された。昨年のセンター試験より取り組みやすい問題が多く、やや易化した。

大問数・解答数

昨年のセンター試験と比べて大問数は4から3に減少し、解答数15個は、昨年から変更なし。

出題形式

語句選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年のセンター試験と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年センター試験並。

難易

昨年センター試験よりやや易化。

大問別分析

第1問「地球の活動、砕屑物の挙動、岩石」 (24点・解答数7) 

Aは地震や地球の形に関する基本的な問題であった。問2は地球の形とそのようになる理由について問われた。教科書を勉強しておけば容易に判断できたであろう。Bは砕屑物の挙動に関する、教科書にも掲載されている図を題材とする問題であった。この図について考察をしたことがあるかどうかで差がついたと思われる。問3は図から砕屑物の挙動についての文章の正誤を判断する問いで、図の細かい読み取りが求められた。問4は河川における堆積の様子を推測する問いであった。図1と図2の情報を組み合わせて判断することが求められた。Cは岩石の観察に関する、探究活動を意識した問題であった。問5は岩石標本を特定するための手法が問われ、問7は仮説に対する検証について問われた。いずれも実際の実験等に触れていない受験生は解答に時間を要したかもしれない。

第2問「台風と高潮、地球温暖化」 (13点・解答数4) 

Aは台風と高潮に関する問題であった。問1は台風による吸い上げ効果によって海水が何cm吸い上げられるかを計算する問いであった。問題文を読み、天気図を読み取れれば計算は平易である。問2は台風による吹き寄せ効果に関する問いであり、台風の周囲の風の分布を理解したうえで考察できるかがポイントであった。Bは温暖化に関する問題であった。問3では温暖化の抑制と促進(フィードバック)に関する理解が問われており、目新しい。問4は温室効果に関する基礎的な知識が必要であり、地球以外の天体での温室効果についても問われた。

第3問「太陽と宇宙の進化、天体の観測」 (13点・解答数4) 

Aは太陽と宇宙の進化に関する基礎的な問題であった。問2は宇宙の進化に関する正確な知識が問われた。過去のセンター試験でも同様の問いが出題されている。Bは天体の観測に関する問題であった。問4は恒星の天体像の面積と見かけの等級の関係のグラフをもとにして天体の等級を求める問いであり、目新しい。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2020年度 27.03点
  • 2019年度 29.62点
  • 2018年度 34.13点
  • 2017年度 32.50点
  • 2016年度 33.90点

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