高校生にとって模試を受けることは当たり前。でも、正しい模試の活用ができているだろうか。駿台予備学校で生物を教える山下翠先生に、成果が出る模試の受け方を教えてもらった。(構成・山口佳子)

解答に自信がない問題には印をつけよう

明日が模試という日。徹夜で勉強するのはNGだ。模試を受ける前は特別な準備をしない方が良い。その方が実力に近い結果がでるからだ。

模試を有効に活用するには、むしろ受けた後が大切。その時点の自分の理解度を確認し、不十分な部分はきちんと復習しておこう。

模試を受けたその日に復習するのが理想だが、現実的には難しいので、遅くとも翌日には復習をスタートしよう。間違った問題だけではなく、なんとなく選んでたまたま正解したような問題についても必ず復習をすること。自信がなくあやふやに解答した問題には印をつけておく等の工夫も必要だろう。

小さな疑問も残さない

復習で一番大切なのは、解説をしっかりと読むこと。自分がどのような思考回路でその解答に至ったのかを覚えているうちに復習することで(だから早めに復習をスタートすることが大切だ)、解説と自分の考え方の違いを明確にできるのが理想だ。なんとなくわかったような気になっただけで終えていないか、自分で確認しながら復習していこう。

もし解説を読んでも十分に理解できない場合は、まず、教科書を読み直す。知識のインプットがしっかりできているかを見直し、再度解説を読んでみる。それでも理解できない場合は、必ず先生に聞く。小さな疑問も残さないことが大切だ。

さらに、間違った問題だけを切り貼りした「間違いノート」を作るのもおすすめだ。間違った問題に何度も繰り返し取り組むことで、自分だけの最強の問題集となるはずだ。

復習しない模試には意味がない

模試を受ける回数は、1、2年生までは学校で受ける模試だけで十分だ。3年生になっても、最大月2回。1回の模試につき、他教科も含めて2週間程度かけてじっくり復習していこう。

復習しない模試には意味がない。目先の成績に気をとられることなく、受験本番を視野に入れて模試を有効に活用していこう。

山下翠先生(駿台予備学校 生物科講師)

 

やました・みどり 高1から高3までの授業を多数担当し、熱意にあふれた分かりやすい授業は生徒から多くの支持を得ている。模試の出題や教材の執筆も担当。