東京大学は2021年1月から始まる大学入学共通テストの利用方法を公表した。センター試験の利用方法をほぼ踏襲するが、英語について、「リスニング」(聞き取り試験)を合否判定に利用する。東大は、これまでのセンター試験のリスニングを利用してこなかったが、方針を変える。

東大は、センター試験の英語は「筆記」(80分・200点満点)のみを課し、「リスニング」(30分・50点満点)は課してこなかった。大学入学共通テストの英語は「リーディング」(80分・100点満点)と「リスニング」(30分・100点満点)の2つの試験が行われるが、東大は「リーディング」を140点満点、「リスニング」を60点満点に換算して利用する。2月12日に記者会見した福田裕穂・入試担当理事によると、センター試験から新共通テストへの移行にあたり、英語の2つの試験時間と内容を学内の英語を専門とする教員が検討して「共通テストのリスニングを東京大学の入試に組み入れるのがよい」と判断し、配点の比率を決めたという。

東京大学が2月12日に開いた記者会見

東大はセンター試験の英語でリスニング試験が導入される以前から独自に個別試験の英語でリスニングを課していたことから、センター試験のリスニングは利用してこなかった。これまでも東大受験者の多くがセンター試験のリスニングを受験しており、受験生の負担は増えないことも判断材料になったという。

共通テストでは、センター試験と同様に、文系の3科類は5教科 8科目または 6教科 8科目,理系の3科類は 5 教科 7 科目を課す。東大はセンター試験の成績(900点満点)を第一段階選抜に利用するほか、センター試験の得点を110点満点に換算し、二次試験(個別試験)の得点(440点満点)とあわせて合否判定に利用している。共通テストの利用方法も同様になるとみられる。

共通テストでの国語・数学の記述式出題の見送りに伴い、共通テストの記述式を選抜に利用する方針は取りやめる。