勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の世界史科講師の鵜飼恵太先生に世界史の論述対策のポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.世界史の論述対策のポイントは?

A.センター過去問と私立大の穴埋め問題で知識を整理しよう。

「何を書くのか」を正確に読み取る

論述問題では、「何を書くのか」と「何は書かなくてもよいのか」を、問題文から正確に読み取ることが重要だ。設問に「政治的」「社会的」「経済的」な影響や背景を書けという指示があれば、そのテーマに絞って書く必要がある。「聞かれていることを主語にして書く」「設問は抽象的でも解答ではどういうことなのかを具体的に書く」といったことも心掛けよう。

私立大の穴埋め問題でテーマ史の要点を押さえる

論述対策としては、まずはセンター試験の過去問のそれぞれの選択肢について、誤っていれば「どこが間違いで、どう直すと正しくなるか」を書き、正しければノート2行分くらいの内容になるように補足するようにして、知識を言葉で説明する練習をしていこう。

それができたら、国公立大を第一志望にしている人も、難関私立大の穴埋め問題に取り組んでみるとよい。難関私立大の問題は学部ごとに政治史や経済史などのテーマ史が出題されることが多く、問題のリード文を読んだり、穴埋め問題を完成させた上で全文を読み返したりすると、各テーマ史のポイントが把握できる。分からないところは教科書などで調べ、問題を解きながら全体の知識をまとめ直していくと、論文対策として役に立つ。

すぐに解答を見るのはNG

書いてみて分からないと感じるときは、すぐに解答を見ると自分で考えなくなってしまうので、解答は見ずに教科書・資料集・用語集などで調べながら自分で書いてみよう。論述問題は、問題を使って知識をまとめるためのツールとしても活用できる。調べても答えが書けない場合は、何を問われているかが把握できていないということなので、もう一度、設問をよく読んで「何を聞かれているのか」「何は聞かれていないのか」をしっかり確認するようにしてほしい。

 

うかい・けいた 歴史上の人物になりきる講義が「つながりが分かる」と好評。著書に『大学入試 ストーリーでわかる世界史B』(KADOKAWA)。