大学入試センターは1月19日、2024年度大学入学共通テストの大半の答案の採点を終え、平均点などの集計を発表した。理科や地理歴史、公民の得点調整を行わないことも決めた。(小数点第二位は四捨五入)

英語リーディングは分量増え、平均点低下

英語の「リーディング」(100点満点)の平均点は51.5点。昨年、共通テスト開始以来最も低い平均点(53.8点)だったが、それをさらに下回った。駿台・ベネッセが運営する「データネット」の担当者によると、「後半の問題の文章量が多く、内容は難しくないが、限られた時間で文脈を把握する処理力が求められた」という。昨年より英文の分量が500語増えており、センター試験の最後の年(2020年)より1.8倍の量となり、受験生からは文章量の多さに苦戦したという声が上がっていた。

英語の「リスニング」(100点満点)は67.2点で、昨年(62.4点)より上がった。昨年までと形式が変わらず、対策ができている受験生には取り組みやすかったという。

国語は平均点上昇、小説が取り組みやすい出題

国語(200点満点)の平均点は116.5点。昨年(105.7点)より上がった。小説がとりくみやすかったとみられるという。数学Ⅰ・A(100点満点)は51.4点、数学Ⅱ・Bは57.7点でともに、昨年から横ばいだった。

理科、地歴、公民の得点調整はなし

昨年は生物の平均点が低く、物理と20点差以上開いたため理科②で得点調整が行われた。今年の平均点(各100点満点)は、物理63.0点、化学54.8点、生物54.8点で得点調整は行われなかった。

地理歴史(世界史B60.3点、日本史B56.3点、地理B65.7点=各100点満点)と公民(現代社会55.9点、倫理56.4点、政治・経済44.4点=同)も対象科目間の予想平均点の点差が20点未満に収まり、得点調整はなかった。政治・経済は、2020年まで行われた大学入試センター試験も含めた過去最低の平均点だった。データネットによると、融合問題や計算が求められる出題があったことが影響した可能性があるという。

大学入試センターは、全ての採点結果を反映させた最終集計を2月5日に発表する予定だ。