2024年度大学入学共通テストを受けた受験生の自己採点結果の中間集計(約35万人)をもとに、駿台予備学校・ベネッセコーポレーションが運営する「データネット」が1月16日昼すぎに各科目の予想平均点などをまとめた。5教科平均点はほぼ昨年並になりそうだ。理科や地理歴史、公民の得点調整は行われない可能性が高い。(記事2ページ目に、「データネット」と河合塾による科目別予想平均点を掲載)

英語リーディングは分量増え、平均点低下か

英語の「リーディング」(100点満点)の予想平均点は52点。昨年、共通テスト開始以来最も低い平均点(53.8点)だったが、それを下回る可能性がある。データネットの担当者によると、「後半の問題の文章量が多く、内容は難しくないが、限られた時間で文脈を把握する力が求められた」という。昨年より英文の分量が500語増えており、センター試験の最後の年(2020年)より1.8倍の量となり、受験生からは文章量の多さに苦戦したという声が上がっていた。

英語の「リスニング」(100点満点)の予想平均点は67点。昨年までと形式が変わらず、対策ができている受験生には取り組みやすかったという。

国語は平均点上昇、小説が取り組みやすい出題

国語(200点満点)の予想平均点は117点。昨年(平均105.7点)より上がりそうだ。小説がとりくみやすかったとみられるという。数学Ⅰ・A(100点満点)の予想平均点は51点で、昨年(平均55.65点)より難しかった。数学Ⅱ・Bの予想平均点は58点で比較的取り組みやすかったようだ。

理科、地歴、公民の科目間の点差は開かず

昨年は生物の平均点が低く、物理と20点差以上開いたため理科②で得点調整が行われた。今年の予想平均点(各100点満点)は、物理63点、化学55点、生物55点で得点調整はなさそうだ。

地理歴史(世界史B61点、日本史B57点、地理B66点=各100点満点)と公民(現代社会56点、倫理57点、政治・経済45点=同)も対象科目間の予想平均点の点差が20点未満に収まっており、得点調整はなさそうだ。

5教科平均点は横ばいか微増

国立大の多くが課している5教科(900点満点)の平均点を、データネットは文系537点(昨年の推定値より5点増)、理系559点(同8点増)と予想している。国語の平均点が上がる一方、数学が下がり、全体としてはほぼ横ばいが微増になりそうだ。

河合塾も16日、自己採点集計をもとに予想平均点などを公表。各教科の予想平均点は、データネットと河合塾でほぼ同様となっている。5教科平均点を文系536点(同6点増)、理系が556点(同8点増)と予想している。

得点調整有無は19日に決定

大学入試センターは、途中までの採点結果に基づく各科目の平均点の速報を17日午後に公表する。得点調整の有無は19日午後に決めて発表する。