データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「生物基礎」の問題分析は次の通り。

― 教科書の内容を中心として、知識を活用する問題が多く出題された。昨年より易化 ―

知識を活用する力、実験結果を論理的に考える力、グラフを読む力を問う問題が出題され、基本的な知識そのものを問う問題もみられた。昨年と比べ、全体のページ数や文章選択問題は増加したものの、正解に至るうえで考察する要素が少なくなり、正解選択肢も判断しやすいものが多く、昨年より易化。

大問数・解答数

大問数3は、昨年から変更なし。昨年18個であった解答数は16個に減少した。

出題形式

文章選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年と比べて増加。昨年14ページであったページ数は18ページになった。

難易

昨年より易化。

大問別分析

第1問「生物と遺伝子」 (17点・標準) 

遺伝子と細胞周期の内容を中心に出題された。Aは、ゲノムや遺伝子に関する知識問題、形質転換の実験に関して知識を活用して判断する問題であった。Bは、紫外線や物質が細胞周期に与える影響を、細胞1個当たりのDNA量から論理的に判断する問題であった。問5は、複数の情報を活用して思考する力を問う問題であった。

第2問「生物の体内環境の維持」 (18点・標準)

血液や免疫、腎臓の内容が出題された。Aは、血液に関して、幅広く知識が問われた。問3は、自然免疫に関して正確な理解を必要とする問題であった。Bは、人体模型を用いた題材で、腎臓の構造を中心に問う問題であった。体内における腎臓の位置と腎臓の内部構造に関する知識が問われ、実験結果を知識と関連付けて判断する力が問われた

第3問「生物の多様性と生態系」 (15点・標準) 

知識を活用する問題とグラフを読解する問題が出題された。Aは、植生と遷移を中心的に扱う問題であった。問3では、火入れと刈取りという人為的な攪乱による植生への影響と生物多様性についてグラフを読解することが求められた。Bは、外来生物に関する知識をもとに判断する問題が出された。問5では、外来生物を管理する方法の妥当性・有効性について問われた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2023年度 24.66点
  • 2022年度 23.90点
  • 2021年度 29.17点
  • 2020年度 32.10点
  • 2019年度 30.99点