データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「英語(リーディング)」の問題分析は次の通り。
― 様々な場面や状況に応じた題材が取り上げられた。文章量は増加したものの難易は昨年並 ―
題材は昨年同様、日常的な文章や説明文など様々なものが扱われた。設問では出来事の順序を問う問題や、プレゼンテーションのスライドを完成させる問題などが出題され、昨年同様に多面的に情報を処理する力が求められた。難易は昨年並。
大問数・解答数
⼤問数6、解答数49個は、昨年から変更なし。
出題形式
昨年と同様、全大問が読解形式であり、題材は日常的な文章から説明文まで様々なものが扱われた。設問では記述内容の順序を問うものやプレゼンテーションのスライドを完成させるものなどが出題され、多面的に情報を処理する力が求められた。
出題分野
実際のコミュニケーションの場面を意識した、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。
問題量
素材文語数は、昨年から約400語増加(約4500語→約4900語)。
難易
昨年並。
大問別分析
第1問「情報・意図の読み取り」 (10点・標準)
Aは、「異文化交流イベント」についてのチラシを読む問題。基本的な読解力が問われた。Bでは「日帰り遠足」の案内書を読み、速く正確に、必要な情報を読み取る力が問われた。
第2問「概要・要点の把握、情報整理」 (20点・標準)
Aでは「戦略ゲームクラブ」に関する勧誘のチラシを読み、英文の情報からクラブの活動内容を把握したり、参加者のコメントを読み取ったりする問題が出題された。Bでは留学生が書いた「海外旅行保険」についてのレビューを読み、概要や要点を把握したり、複数の情報を整理したりする問題が出題された。
第3問「短い文章の概要把握」 (15点・標準)
Aでは「写真撮影ラリー」の体験談が書かれたブログが取り上げられた。Bでは「南国の島へのバーチャルツアー」について述べられた新聞記事を読み、出来事の順番や内容を把握する問題が出題された。
第4問「複数素材からの情報読み取り」 (16点・標準)
「快適な教室環境をつくること」に関して、それに関する記事と生徒へのアンケート結果が取り上げられ、アンケートにはグラフが添えられた。細かい数値は扱われていないが、グラフの内容を含むアンケート結果を踏まえて解答する必要のある問題が出題された。
第5問「概要把握、要点整理」 (15点・やや難)
「高校を卒業して20年後に、それぞれの人生を歩む三人の友人が再会する物語」を読んで、メモを完成させる問題であった。出来事を時系列に並べる問題が出題されたが、三人の関わりが読み取りづらかった。素材文語数も多かった。
第6問「概要・要点・論旨の把握」 (24点・やや難)
Aは「人間が感じる時間認識の違い」に関する記事を読んで、口頭発表するためのメモを完成させる問題。Bは「トウガラシ」に関する英文を読んで、プレゼンテーションのスライドを完成させる問題。記事中に直接述べられていない内容を推論させる設問が複数出題された。
過去5年の平均点(大学入試センター公表値)
- 2023年度 53.81点
- 2022年度 59.45点
- 2021年度 56.16点
- 2020年度 28.78点
- 2019年度 31.42点